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2023/01/27

GPSで追跡できない屋内で人やモノの所在地を把握する手法と選び方|屋内位置情報サービスとは?

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屋外に限らず、屋内でも位置情報を測位することであらゆる効果を得ることができます。屋内位置情報の測位方法は日々進歩しており、それぞれにメリット・デメリットがあります。屋内位置情報を取得する目的、用途にあった測位方法を選択することでより大きな効果を生み出すことが期待できます。

今回はそんな屋内位置情報の測位方法と、選ぶポイントについてご紹介します。

 

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屋内位置情報サービスとは

 

オフィスや工場、商業施設内における人やモノの位置やその動きをリアルタイムに把握できることで、さまざまな付加価値を生み出すことができます。

 


【オフィス】

◯フリーアドレスやABW型のオフィスでも誰がどこにいるかすぐにわかるため、人を探す手間と時間を削減でき、業務効率の向上を図る

◯社員同士の対面でのコミュニケーションのきっかけをうみ、社内コミュニケーションの活性化させる

 


【工場】

◯離れた現場の状況を確認したい時、その近くにいる作業員を特定し、確認してもらうことで移動にかける時間や労力を削減し生産性を向上させる

◯危険な場所にいる作業員を把握し、安全に作業を行うことができるように注意・管理することができる

 


【商業施設】

◯特定の店舗の前を通過した人を対象にその店舗のクーポンやおすすめ情報を通知することで売上の向上を図る

 


 

位置情報の取得・把握と言ってまず想像するのがGPS(全地球測位システム)でしょう。これは人工衛星の電波を受信して使用されるため屋外での位置測定には活用できますが、屋内となると計測が難しくなってしまうという問題があります。そこで屋内でも位置情報が取得できるよう、さまざまな技術・測位方法が生み出されていったのです。

 

 

屋内位置情報サービスの市場規模

 

矢野経済研究所による国内の屋内位置情報ソリューション市場の調査では、2022年度の同市場に関して、前年度比120.7%の49億8,300万円に拡大すると予測されています。

 

屋内位置情報ソリューション市場規模の推移

 

2020年度に一旦成長が止まったものの、2021年度には新型コロナウィルスの感染拡大の影響が薄れたこともあってさらに市場を拡大させました。働き方の見直しやそれに伴ったフリーアドレスなどのあたらしいオフィスのカタチの普及に牽引され、ますます市場を拡大させていく見通しです。

 

屋内位置情報ソリューションはオフィス分野での導入が主力となっていますが、製造や物流など、業界・業種が多様化していることも今後の市場規模拡大が見込まれる大きな要因です。今後もIoT分野の推進や働き方改革の推進がさらに加速していくという予想から、市場規模のさらなる拡大を期待できるでしょう。

 

 

屋内で所在地を測位する方法

 

屋内位置情報の測位方法として多くの企業が採用しているのがBLEを活用したものです。しかしBLEに拘らず新たな測位方法を開発し提供する企業もあれば、顧客のニーズに合わせて測位方法を選定して提供する企業もあります。

複数ある屋内位置情報測位技術についてご紹介します。

 

位置情報

 

①ビーコン測位

BLE(Bluetooth Low Energy)というBluetooth信号を発信するビーコンという端末を使用した測位技術です。

 

⚫️BLE(Bluetooth Low Energy)

Bluetoothの通信方式の一種で、省電力を特徴としています。

接続確立やデータ通信など、大きな電力を必要とする動作にかかる時間を極力カットすることで消費電力の削減をすることができています。省電力に長けているので、ボタン電池1個で長時間の稼働が可能となります。

 

BLEを発するビーコン発信機は小型で持ち運びがしやすく、省電力のため利用しやすいことが特徴です。ビーコンが発したBLE電波をスマートフォンなどのBluetoothを受信する端末で受信することで屋内位置情報を測位します。

信号の有効半径は10〜100メートルほどで、誤差は1〜5メートルです。電波の反射や干渉によって精度が落ちることがあるため、機器の設置場所が重要となります。

 

 

②RFID測位

RFID(Radio Frequency IDentifier)タグというID情報をもつ小さなチップと専用リーダーを使用した測位技術です。

 

⚫️RFID(Radio Frequency IDentifier)

電波(電磁波)を用いて、タグのデータを非接触で読み書きするものです。

タグにはタグ自体が電波を発信するアクティブ型と、電波を発さずにリーダーの電波を返すパッシブ型の2種類があります。また大きさや形状はさまざまで、使用用途に合わせて使い分けることができます。

 

位置を特定したいものにこのタグをつけ、専用のリーダーでタグを読み取ることでその位置が特定できます。主に倉庫や工場内のモノの所在管理や、人やモノの出入りや通貨を管理する際に活用されます。

読み取り範囲は数センチ〜数メートルと幅広く、段ボールなどを通しても読み取りが可能です。また各タグに情報を持たせることができ、タグの種類が豊富なためさまざまな場面でk活用できることが特徴です。

 

 

③Wi-Fi測位

Wi-FiのアクセスポイントとスマートフォンなどのWi-Fi受信端末を使う測位方法です。

 

施設内に複数のWi-Fiアクセスポイントを設置し、受信したそれぞれのWi-Fi電波の強さや到着時間の違いから位置情報を割り出します。Wi-Fiアクセスポイントはすでに数多く設置されているため、新しい設備を用意せずに測位を開始できることがメリットです。

一方でWi-Fiアクセスポイントのカバーエリアは半径数メートルから数十メートルのため、アクセスポイントがかなり密集した場所でないと位置情報に誤差が出てしまうという精度面でのデメリットもあります。

 

 

④超音測位

専用のスピーカーから人の耳では聞き取れない超音波にID情報を乗せて発信し、スマートフォンなどのマイクで受信することで位置情報を測位する方法です。

 

マイクはどのスマートフォンにも必ず搭載されているため、受信できる端末の多さとその準備の容易さは大きなメリットでしょう。一方で、超音波発信用のスピーカーを動かすためには電源が必要であるために設置場所が制限され、壁や他の超音波をすでに利用している空間などの障害物をまたぐ使用はできないという点がデメリットになりえるでしょう。

 

 

⑤地磁気測位

建物や地下空間などを支えるのに使われている鉄骨や鉄筋などの鋼材や鉄材が発する磁気を活用した測位方法です。磁力のデータやパターンをデータベース化し、スマートフォンの磁気センサーで読み取った時期と照合することで位置情報を測定します。 

 

新たな設備を投入する必要がないため、設備コストを抑えることができる点がメリットと言えます。また建物の構造が変わらない限りデータは安定するため、高い精度を維持できることが特徴です。

ただし時期乱れが生じる建物の近くを頻繁に鉄道車両や大型車両が運行するなどの環境下においては、正確に位置が測定できなくなるので注意が必要です。

 

 

⑥UWB測位

UWB(Ultra Wide Band)と呼ばれる超広帯域無線通信を発するセンサーを活用して位置情報を測位する方法です。

 

⚫️UWB(Ultra Wide Band)

数百MHzから数GHzという非常に広い周波数帯域を使用し、障害物による影響が少ないことが特徴

 

この測位方法では8.5~9.5GHzの周波数帯の広帯域無線通信を使用し、30メートル感覚でセンサーを設置、最低2台のセンサーから発信されたUWB信号の到着時差と入射角度を利用して位置情報を取得します。UWB受信用タグでしか受信できないためコストはかかりますが、その精度は極めて高く、誤差15センチメートルでタグの位置を特定することができます。

 

 

屋内位置情報サービスを選ぶポイント

 

屋内位置情報の測位方法はさまざまありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。測位した位置情報の活用目的に合わせて、導入するサービスを選ぶことが大切です。

 

ポイント

 

❶測位の精度

屋内位置情報の精度の高さ(誤差の少なさ)や安定感が求められる場合

 

【推奨】 UWB測位 / 地磁気測位

 

誤差15センチメートルという精度の高さを誇るUWB測位はもちろん、データの安定感が強い地磁気測位も精度が高いと言って良いでしょう。ただし地磁気測位は付近の環境に影響を受けることもあることから注意が必要です。

 

 

❷人やモノなどの個体の識別

人やモノを個々に識別し、個別に位置情報を取得したい場合

 

【推奨】 ビーコン測位 / RFID測位

 

ビーコン測位は特に、広範囲におけるモノや人の移動や導線を可視化したい場合に最適です。

 

 

❸機器設置の手軽さ

屋内位置情報ソリューション導入時に機器設置を手軽に行いたい場合

 

【推奨】 ビーコン測位 / 地磁気測位

 

ビーコン測位は電源が必要なものの省電力のため内蔵されているボタン電池で賄うことができ、また遮蔽物が多い場所には多数のビーコンを設置するなどしてカバーすることができます。さらにビーコン端末自体も小型で軽量であることから設置がしやすいと考えられます。地磁気測位ではデータを揃える必要はありますが、物理的な機器の設置は不要です。

 

 

❹導入コスト

屋内位置情報ソリューション導入時に導入コストを抑えたい場合

 

【推奨】 ビーコン測位 / 地磁気測位

 

専用機器の設置の必要がない地磁気測位と機器そのものが安価であるビーコン測位が有効です。ただしビーコン測位においては測位する面積や計測したい個体数などによってコストが嵩む場合があるので注意が必要です。

 

 

❺保守運用性

継続的に屋内位置情報データを収集し運用していきたい場合

 

【推奨】 地磁気測位 / ビーコン測位 / UWB測位

 

継続的に運用するために電源や電池を持続させることが必要です。また機器の故障の際にも修理や交換など、迅速に対応できることが大切です。機器設置の必要がない地磁気測位はもちろん、機器が軽量で設置がしやすいビーコン測位も保守運用性が高いと言えます。またビーコン測位とUWB測位は省電力に長けているため、継続的な運用がしやすいと考えられます。

 

 

まとめ

 

屋内位置情報の測位といっても、測定のシチュエーションや測定したデータの使用目的はさまざまです。

屋内位置情報測位技術は日々進歩している技術でもあり、さまざまな測位方法が存在します。それぞれメリット・デメリットがあるため、各々の特徴を捉え、目的に応じて最適な技術を選択していくことが重要なのではないでしょうか。

 


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