2026/06/17

オフィスに必要な防災備品とは?会社が備えるべき防災グッズ一覧とBCP対策を解説

地震や台風、豪雨などの自然災害は、企業活動にも大きな影響を与えます。特にオフィス勤務では、多くの従業員が同じ場所で働いているため、災害時の安全確保や事業継続への備えが欠かせません。そのため、企業には防災備品の備蓄や災害対策体制の整備が求められています。しかし、「何をどれくらい備蓄すべきかわからない」という担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、オフィスに必要な防災備品や備蓄のポイント、さらにBCP対策を強化する方法について詳しく解説します。

企業・オフィスで防災備品が必要とされる理由

企業における防災対策は、単なる備えではなく従業員の安全確保や事業継続の観点から重要視されています。ここでは、オフィスに防災備品が必要とされる主な理由について解説します。

災害発生時に従業員の安全を守るため

企業が防災備品を備蓄する最大の理由は、従業員の命と安全を守るためです。大規模地震や台風、停電などが発生した場合、オフィス内に閉じ込められたり、インフラが停止したりする可能性があります。その際に水や食料、簡易トイレ、毛布などが不足していると、従業員の健康や安全に大きな影響を与えかねません。

また、災害発生直後は行政による支援がすぐに届かないケースもあります。企業自身が一定期間の備蓄を行っておくことで、従業員が安心して待機できる環境を整えられます。防災備品は、単なる「備え」ではなく、企業としての安全配慮義務を果たすためにも重要な取り組みといえるでしょう。

事業継続計画(BCP)対策につながるため

防災備品の整備は、BCP(事業継続計画)対策の一環としても重要です。BCPとは、災害やシステム障害などの緊急事態が発生した際でも、企業活動を継続・早期復旧させるための計画を指します。

例えば、停電時にモバイルバッテリーや非常用電源があれば、最低限の通信手段を維持できます。また、備蓄食料や衛生用品があれば、従業員を一定期間オフィス内に待機させながら業務継続を図ることも可能です。

災害時に業務が長期間停止すると、売上低下や顧客離れにつながるリスクがあります。だからこそ、防災備品の準備は単なる福利厚生ではなく、企業経営を守るための重要な対策として考える必要があります。

帰宅困難者対策が求められているため

都市部では、大規模災害時に公共交通機関が停止し、多くの帰宅困難者が発生する可能性があります。特に東京などの大都市圏では、徒歩での帰宅が難しい従業員も少なくありません。そのため、企業には従業員を無理に帰宅させず、一時的にオフィスへ留める対応が求められています。

実際に自治体でも「むやみに移動を開始しない」という方針が示されており、企業側にも一定期間の受け入れ体制が必要です。帰宅困難者対策としては、水や食料だけでなく、簡易ベッド、毛布、衛生用品などの備蓄が重要になります。

また、スマートフォン充電設備や情報収集手段を整えておくことで、従業員の不安軽減にもつながるでしょう。

会社に防災備品を備蓄する義務はあるのか

防災備品の必要性は理解していても、「法律上どこまで対応すべきなのか」が気になる担当者も多いでしょう。ここでは、企業の備蓄義務や関連する条例について解説します。

法律上の明確な義務について

現時点では、全国一律で「企業が防災備品を必ず備蓄しなければならない」と定めた法律はありません。しかし、企業には労働契約法に基づく安全配慮義務があり、従業員の安全を守る責任があります

。災害時に必要な備えを怠り、従業員へ被害が発生した場合、企業責任を問われる可能性もゼロではありません。特に大規模オフィスや多人数が勤務する環境では、最低限の備蓄や防災対策を講じることが社会的にも求められています。

また、近年は防災意識の高まりから、企業の防災対策を重視する求職者や取引先も増えています。法的義務の有無だけでなく、企業価値向上の観点からも防災備品の整備は重要といえるでしょう。

東京都など自治体条例の内容

東京都では「東京都帰宅困難者対策条例」により、企業に対して従業員向けの備蓄を努力義務として求めています。具体的には、従業員が最低3日間オフィス内で待機できるよう、水や食料などを備蓄することが推奨されています。首都直下地震などが発生した場合、一斉帰宅による混乱や二次災害が懸念されるためです。

東京都以外の自治体でも、同様に企業へ防災備蓄を推奨する動きが広がっています。特に都市部では、交通機関停止による影響が大きいため、企業側が一定期間従業員を受け入れる体制を整えることが重要です。

自治体ガイドラインを参考にしながら、自社に必要な備蓄量を検討しましょう。

※参考:東京都帰宅困難者対策条例概要(東京都北区)https://www.city.kita.lg.jp/safety/disaster/1002569/1002657.html

防災対策を怠るリスク

防災対策が不十分な場合、災害発生時にさまざまなリスクが生じます。

まず、従業員の安全を十分に確保できず、健康被害や混乱が発生する恐れがあります。さらに、備蓄不足によって業務再開が遅れれば、顧客対応や取引継続にも悪影響を及ぼします。企業イメージの低下や信頼喪失につながる可能性もあるでしょう。

また、SNSの普及により、災害時の企業対応はすぐに拡散される時代です。「従業員を守れない会社」という印象を持たれると、採用活動や取引面にも影響を及ぼしかねません。

防災対策はコストではなく、企業リスクを軽減するための重要な投資として考えることが大切です。

オフィスに必要な防災備品リスト

企業で備蓄すべき防災備品は多岐にわたります。ここでは、オフィスに最低限備えておきたい代表的な防災グッズについて紹介します。

飲料水・食料などの備蓄品

防災備品の中でも特に重要なのが、水と食料です。

一般的には、従業員1人あたり3日分を目安に備蓄することが推奨されています。飲料水は1日3リットル程度が目安とされており、保存水を中心に準備するとよいでしょう。食料については、アルファ米や保存パン、栄養補助食品など、長期保存が可能なものが適しています。

また、加熱不要で食べられる食品を選ぶことも重要です。災害時には電気やガスが使用できないケースも多いため、開封後すぐに食べられる備蓄品が役立ちます。アレルギー対応食品も一部用意しておくと、より安心です。

衛生用品・生活用品

災害時は衛生環境が悪化しやすいため、衛生用品の備蓄も欠かせません。特に簡易トイレは非常に重要で、断水時にはトイレが使用できなくなる可能性があります。そのほか、ウェットティッシュ、マスク、アルコール消毒液、ティッシュペーパー、生理用品なども必要です。

衛生状態が悪化すると感染症リスクが高まるため、清潔を維持できる環境づくりが重要になります。さらに、毛布やアルミブランケット、簡易ベッドなどの生活用品もあると安心です。特に冬季災害では低体温症リスクもあるため、防寒対策用品は優先的に備蓄しておきましょう。

情報収集・電源確保に必要な備品

災害時には、正確な情報収集と通信手段の確保が非常に重要です。そのため、防災ラジオやモバイルバッテリー、乾電池などは必須備品といえます。停電時でも情報を取得できるよう、手回し充電対応ラジオを準備しておくと安心です。

また、スマートフォンが使えなくなると安否確認や連絡が困難になるため、大容量モバイルバッテリーの備蓄も重要になります。加えて、懐中電灯やランタンなどの照明器具も必要です。

夜間の停電時には避難行動が危険になるため、安全確保のためにも十分な数を用意しておきましょう。

防災備品を準備する際のポイント

防災備品は、ただ揃えるだけでは十分ではありません。適切に運用・管理することで、初めて災害時に役立つ備えになります。ここでは、防災備品を準備する際のポイントについて解説します。

従業員数に合わせて備蓄量を決める

防災備品は、従業員数に応じて必要量を算出することが重要です。人数に対して備蓄が不足していると、災害時に混乱を招く原因になります。

例えば、水を3日分備蓄する場合、「従業員数×3リットル×3日」で必要量を計算できます。食料や簡易トイレについても同様に、人数を基準に必要数を決めましょう。また、来客者や派遣社員など、常駐している可能性がある人数も考慮する必要があります。

余裕を持った備蓄計画を立てることで、緊急時でも落ち着いて対応しやすくなります。

定期的に賞味期限・使用期限を確認する

防災備品は、一度備蓄して終わりではありません。保存食や飲料水、乾電池などには期限があるため、定期的な点検と入れ替えが必要です。特に長期間放置してしまうと、「いざ使おうとしたら期限切れだった」という事態にもなりかねません。そのため、年に1〜2回程度は備蓄状況を確認することをおすすめします。

ローリングストック方式を取り入れるのも有効です。日常的に消費しながら補充することで、常に新しい備蓄品を維持しやすくなります。防災対策を継続的に運用する仕組みづくりが重要です。

保管場所を分散させる

防災備品は、1か所に集中して保管しないことも大切です。災害時にはキャビネットの転倒や一部エリアへの立ち入り制限などが発生する可能性があります。そのため、複数フロアに分散配置したり、倉庫と執務スペースの両方へ保管したりする工夫が必要です。特に大規模オフィスでは、各エリアごとに最低限の備蓄を置いておくと安心です。

また、誰でもすぐに取り出せるよう、保管場所を従業員へ周知しておくことも重要です。備蓄があっても、場所を把握していなければ意味がありません。定期的な防災訓練と合わせて確認しておきましょう。

防災対策・BCP対策を強化するために活用したい仕組み

防災備品の準備は重要ですが、それだけで十分とはいえません。災害時に適切な対応を行うためには、情報共有や安否確認の仕組みも必要です。ここでは、防災対策を強化するために活用したい仕組みをご紹介します。

災害時は従業員の状況把握が重要になる

災害発生時には、「誰が出社しているのか」「誰が安全なのか」を迅速に把握する必要があります。しかし、電話やメールだけでは連絡が取れないケースも少なくありません。特にテレワークやハイブリッドワークが普及した現在では、従業員の所在把握が以前より難しくなっています。そのため、リアルタイムで在席状況や安否情報を確認できる仕組みが重要になっています。

従業員の状況を正確に把握できれば、救助対応や業務継続判断もスムーズになります。防災対策は「物の備え」だけでなく、「情報の備え」も欠かせません。

防災備品だけでは十分とはいえない理由

どれだけ防災備品を揃えていても、災害時の情報共有体制が整っていなければ、混乱を防ぐことは難しいでしょう。例えば、「誰がオフィスにいるのか分からない」「避難指示が伝わらない」「安否確認に時間がかかる」といった問題が発生すると、初動対応が遅れる原因になります。

また、近年は働き方が多様化しており、全従業員が同じ場所で働いているとは限りません。そのため、防災備品とあわせて、位置情報共有や在席確認、安否確認を行えるツールの導入も重要視されています。

Beacapp Hereを活用した災害時・安否確認対策

Beacappが提供する「Beacapp Here」は、オフィスの在席状況を可視化できるツールとして活用されています。誰がどこで勤務しているかを把握しやすくなるため、災害時の安否確認や初動対応にも役立ちます。

特にハイブリッドワーク環境では、「出社中なのか」「在宅勤務中なのか」を即座に確認できることが大きなメリットです。災害発生時に迅速な連絡や指示を行いやすくなり、BCP対策の強化にもつながります。

防災備品の整備に加えて、こうしたシステムを活用することで、企業全体の危機管理体制をより強固にできるでしょう。

※参考:Beacapp Here公式サイト
https://jp.beacapp-here.com/

まとめ

企業にとって防災備品の整備は、従業員の安全確保だけでなく、事業継続を守るためにも重要な取り組みです。特に都市部では帰宅困難者対策が求められており、水や食料、衛生用品、通信手段などを計画的に備蓄する必要があります。

また、防災対策は備品だけで完結するものではありません。災害時に迅速な安否確認や情報共有を行うためには、システム面の整備も重要です。自社に必要な防災対策を見直し、万が一の災害に備えた安全なオフィス環境を整えていきましょう。


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