企業で使用するパソコンやモニター、スマートフォン、什器などの備品は、業務に欠かせない存在です。
しかし、「備品は資産として扱うべきなのか」「消耗品との違いがよく分からない」と悩む担当者も少なくありません。
また、働き方の多様化に伴い、備品の所在把握や棚卸しなどの管理業務に課題を感じている企業も増えています。
本記事では、備品と資産の関係や消耗品との違いを解説するとともに、企業が抱える備品管理の課題や効率化のポイントについて紹介します。
さらに、位置情報技術を活用した最新の備品管理手法についても解説します。

備品は会社の資産になる?基本的な考え方を解説

企業活動において使用される備品は、会計上のルールに基づいて適切に管理する必要があります。
しかし、すべての備品が同じ扱いになるわけではありません。
購入金額や使用期間によって「消耗品」や「固定資産」などに分類され、会計処理や管理方法も異なります。
まずは、備品とは何かを整理したうえで、消耗品や固定資産との違い、そして企業が備品管理を行うべき理由について確認していきましょう。
会社における備品とは?代表的な種類
備品とは、企業が業務を遂行するために継続的に利用する物品の総称です。
日常業務に欠かせないものであり、適切な管理が求められます。
代表的な備品としては、パソコンやモニター、スマートフォンなどのIT機器が挙げられます。
近年ではノートPCやタブレット端末を従業員へ貸与する企業も増えており、管理対象となる備品の数は年々増加しています。
また、オフィスデスクやチェア、キャビネットなどの什器も備品に含まれます。
会議室に設置されているディスプレイやWeb会議用機器、プロジェクターなども企業資産として管理されるケースが一般的です。
さらに、製造業では測定器や工具、医療機関では医療機器など、業種によって管理対象となる備品は大きく異なります。
いずれの場合も、購入後に継続利用するものである以上、企業として適切な管理体制を整えることが重要です。
備品・消耗品・固定資産の違い
企業が物品を購入した場合、そのすべてが同じ扱いになるわけではありません。
会計上は、購入金額や使用期間などに応じて「消耗品」または「固定資産」に分類されます。
一般的に、使用期間が短く比較的安価な物品は消耗品として処理されます。
例えば、文房具やコピー用紙、マウスやキーボードなどが該当します。
一方で、長期間にわたって使用するパソコンやサーバー、オフィス家具などは固定資産として扱われるケースが多くあります。
固定資産として計上された場合は、減価償却を行いながら資産管理を継続する必要があります。
そのため、購入時だけでなく、利用状況や設置場所なども継続的に把握しなければなりません。
なお、固定資産として扱う基準金額は税務上のルールや企業の会計方針によって異なるため、自社の規程に沿って適切に判断することが重要です。
なぜ企業は備品を適切に管理する必要があるのか
備品管理は単なる在庫管理ではなく、企業の資産を守るための重要な業務です。
適切な管理が行われていない場合、紛失や盗難、重複購入などのリスクが高まります。
例えば、「どこかにあるはずだが見つからない」という理由で新たに購入してしまうケースは少なくありません。
本来不要な支出が発生し、企業のコスト増加につながる可能性があります。
また、固定資産として計上している備品については、実際に存在しているか、適切に利用されているかを定期的に確認する必要があります。
棚卸し作業が煩雑になると、総務部門や管理部門の負担も大きくなります。
さらに、近年はフリーアドレスやハイブリッドワークの普及によって、備品の利用場所や利用者が流動化しています。
そのため、従来の管理方法だけでは対応が難しくなっており、より効率的な備品管理の仕組みが求められています。
企業が抱える備品・資産管理の課題

備品や資産は企業活動に欠かせない存在ですが、その管理には多くの課題が伴います。
特に近年はフリーアドレスやハイブリッドワークの普及により、従来の台帳管理だけでは十分に対応できないケースが増えています。
「どこにあるか分からない」「誰が使っているのか把握できない」といった問題は、業務効率の低下や不要なコストの発生につながります。
ここでは、多くの企業が抱える代表的な課題について見ていきましょう。
備品の保管場所や利用状況が分からない
企業では、パソコンやモニター、プロジェクター、社用携帯電話など、多くの備品を管理しています。
しかし、利用者の異動やレイアウト変更、フリーアドレス運用などによって、備品の所在が不明になるケースは珍しくありません。
特に従業員が自由に席を選択できるオフィスでは、昨日まで会議室にあった機器が別のフロアへ移動していることもあります。
また、複数拠点を持つ企業では、備品の移動履歴を正確に把握することが難しくなります。
こうした状況では、「必要な備品を探す時間」が日常的に発生します。
1回あたり数分の探索でも、従業員全体で見ると大きな時間損失となり、生産性低下の要因となります。
さらに、利用状況が把握できないことで、本来活用できる備品が遊休資産となったり、重複購入が発生したりするリスクも高まります。
Excelや管理台帳による管理では限界がある
多くの企業では、Excelや紙の台帳を使って備品管理を行っています。
導入コストが低く手軽に始められる一方で、管理対象が増えるほど運用負荷は大きくなります。
例えば、新たな備品を購入した際や利用者が変更になった際には、都度情報を更新しなければなりません。
しかし、更新漏れや入力ミスが発生すると、実態と管理情報にズレが生じてしまいます。
また、管理担当者しか情報を把握していない属人的な運用になりやすい点も課題です。
担当者が異動や退職した場合、管理ルールが引き継がれず、情報が散逸してしまうこともあります。
さらに、固定資産として管理している備品については定期的な棚卸しが必要です。
実際の設置場所を確認しながら台帳と照合する作業は大きな負担となり、多くの企業が効率化を求めています。
備品の所在を見える化し、業務効率を改善した企業事例
備品管理に関する課題は、オフィスだけでなくさまざまな業界で発生しています。
その一例がANA大阪空港株式会社様です。
同社では、空港内で貸し出している車椅子やベビーカーなどの歩行補助具約95台を管理していました。
しかし、広大な空港内には複数の保管場所が存在し、必要な備品がどこにあるのか把握するために多くの時間と労力を要していました。
その結果、備品の所在確認や再配置作業に多くの工数が発生し、本来注力すべきお客様対応へ十分な時間を割けない状況となっていました。
そこで同社は、BLEビーコンを活用した「Beacapp Tag」を導入。
備品の位置情報をリアルタイムで可視化することで、探索業務の削減と運用効率の向上を実現しました。
備品や資産の管理は、単にモノを管理するだけではありません。
探す時間を削減し、従業員が本来の業務へ集中できる環境を整えることも重要な目的の一つです。
※導入事例はこちら
https://jp.beacapp-here.com/case/ana-osaap/

備品・資産管理を効率化するためのポイント

備品管理の課題を解決するためには、管理台帳を整備するだけでなく、継続的に運用できる仕組みを構築することが重要です。
管理対象が増加するほど手作業による運用には限界が生じるため、業務負荷を軽減しながら正確な情報を維持できる体制が求められます。
ここでは、備品・資産管理を効率化するための代表的なポイントを紹介します。
備品情報を一元管理する
備品管理を効率化するうえで最も重要なのが、管理情報の一元化です。
備品ごとに購入日や管理番号、設置場所、利用者、保守期限などの情報を統一的に管理することで、必要な情報へ迅速にアクセスできるようになります。
また、複数のExcelファイルや紙の台帳で管理している場合、情報の重複や更新漏れが発生しやすくなります。一元管理によって管理品質を向上させることができます。
近年ではクラウド型の資産管理システムも増えており、拠点をまたいだ情報共有も容易になっています。
利用状況や保管場所を把握できる仕組みを整える
備品管理では、「何を保有しているか」だけでなく、「どこにあるか」「誰が利用しているか」を把握することが重要です。
貸出管理ルールを整備し、利用履歴を記録することで備品の所在不明を防止できます。
また、利用実績を分析することで、不要な備品や不足している備品を把握しやすくなります。
さらに、近年ではBLEビーコンや位置情報技術を活用し、備品の位置情報を自動取得する仕組みも普及しています。手作業による確認を減らしながら、より正確な管理を実現できます。
定期的な棚卸しと管理ルールを整備する
どれだけ優れた管理ツールを導入しても、運用ルールが曖昧では十分な効果は得られません。
備品管理責任者を明確にし、定期的な棚卸しや情報更新を実施することが重要です。
また、備品の購入や廃棄、貸出時の手順を標準化することで、管理品質を維持しやすくなります。
特に固定資産については、会計上の観点からも正確な管理が求められます。管理ルールと運用体制を整備することで、長期的な管理負荷の軽減につながります。
位置情報を活用した次世代の備品・資産管理とは

働き方の多様化やオフィス環境の変化により、従来の台帳管理だけでは備品や資産の管理が難しくなっています。
特にフリーアドレスや複数拠点運用を行う企業では、「どこにあるか分からない」「探す時間が発生する」といった課題が顕在化しています。
こうした課題を解決する方法として注目されているのが、BLEビーコンや位置情報技術を活用した備品管理です。
リアルタイムで資産の所在を把握できるため、管理負荷の軽減と業務効率化を同時に実現できます。
BLEビーコンによる備品の位置管理
BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンは、省電力で位置情報を取得できる無線通信技術です。
備品や機器にタグを取り付けることで、オフィスや施設内における現在位置を把握できます。
従来の備品管理では、管理台帳や利用者への確認によって所在を調査する必要がありました。
しかし、BLEビーコンを活用すれば、システム上で備品の位置情報を確認できるため、探索作業の大幅な削減が可能です。
特にノートPCやモバイルモニター、測定機器、貸出備品など、移動頻度の高い資産との相性が良く、近年はさまざまな業界で導入が進んでいます。
また、紛失や盗難リスクの低減にもつながるため、企業資産を適切に保護する手段としても注目されています。
備品管理を自動化し、棚卸し業務を効率化する
備品管理における大きな負担の一つが棚卸し作業です。
管理台帳と実際の設置状況を照合しながら確認する作業には、多くの時間と労力が必要となります。
位置情報技術を活用することで、備品の設置場所や利用状況を自動的に取得できるようになります。
その結果、管理情報の更新作業や現地確認の工数を削減しながら、より正確な資産情報を維持できます。
また、備品の利用実績を分析することで、遊休資産の把握や適切な再配置も可能になります。
必要な場所へ必要な備品を配置できるようになり、資産の有効活用にもつながります。
今後は、単に備品を保有するだけでなく、データを活用して最適な運用を行うことが企業の競争力向上にもつながるでしょう。
備品管理のDX化が総務業務の生産性向上につながる
総務部門では、備品管理以外にも施設管理や契約管理、安全衛生管理など幅広い業務を担っています。
そのため、備品管理に多くの時間を費やしてしまうと、本来取り組むべき業務へ十分なリソースを割くことができません。
位置情報技術を活用した備品管理は、単なる業務効率化ではなく、総務業務全体の生産性向上につながります。
備品を探す時間や棚卸し工数を削減することで、より付加価値の高い業務へ注力できるようになります。
Beacapp Hereでは、オフィス内の人の位置情報だけでなく、Beacapp Tagを活用したモノの位置管理にも対応しています。
パソコンやモニター、貸出機器などの備品を可視化し、探索時間の削減や資産管理の効率化を支援します。
今後、企業のDX推進が加速する中で、備品管理のあり方も大きく変化していくでしょう。位置情報を活用した新しい資産管理は、その有力な選択肢の一つといえます。

まとめ
企業で利用する備品は、購入金額や利用期間に応じて消耗品や固定資産として扱われます。適切な会計処理を行うためだけでなく、紛失防止やコスト削減の観点からも、備品管理は重要な業務です。
しかし、フリーアドレスやハイブリッドワークの普及によって、従来のExcelや管理台帳による運用だけでは限界を迎えつつあります。
備品の所在が分からない、棚卸しに時間がかかるといった課題を抱える企業も少なくありません。
こうした課題を解決する手段として、BLEビーコンや位置情報技術を活用した備品管理が注目されています。
備品の位置情報をリアルタイムで把握することで、探索時間の削減や棚卸し業務の効率化を実現できます。
備品管理を単なる管理業務として捉えるのではなく、企業全体の生産性向上につながるDX施策として見直してみてはいかがでしょうか。
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