2025/06/17

フレックスタイム制の落とし穴?コアタイム遅刻の扱いと正しい制度運用とは

柔軟な働き方を支援する制度として広がっているフレックスタイム制。

しかし、制度を運用する中で「コアタイムに遅れたら遅刻になるのか?」という疑問がしばしば話題になります。

特にコアタイムを設けている企業では、その遅刻の扱いがトラブルや誤解につながることも。

この記事では、コアタイムの基本から遅刻の扱い、企業ごとの対応例、制度見直しのポイントまでを網羅的に解説し、納得感のある働き方を実現するためのヒントをお届けします。

コアタイムとは?まずは基本をおさえる

フレックスタイム制を正しく理解するうえで、コアタイムの意味を把握することは不可欠です。

フレックスタイム制の構成要素

フレックスタイム制は、労働者が始業・終業時刻を自分で決められる制度です。

制度には「フレキシブルタイム」と「コアタイム」があります。

フレキシブルタイムは出退勤時間を自由に設定できる時間帯、コアタイムは必ず勤務している必要のある時間帯を指します。

たとえば、「始業可能時間 7:00〜10:00」「コアタイム 10:00〜15:00」「終業可能時間 15:00〜20:00」といった形で構成されることが一般的です。

コアタイムを設ける理由

フレックスタイム制度は柔軟さが売りですが、業務にはチームワークが欠かせません。

たとえば定例会議や進行管理の打ち合わせ、共同作業などは、全員が揃っている必要があります。

そうした「全員での同時稼働」を実現するための仕組みがコアタイムです。

つまり、コアタイムはフレックス制度の中において、業務効率とコミュニケーションを確保するための「接着剤」のような役割を果たします。

コアタイムを設けない企業も増えている

最近では、コアタイムを廃止し「スーパーフレックス制度」を導入する企業も増えています。

この方式では完全に従業員の裁量に委ねられ、出退勤のタイミングは自由です。

ただし、全社的な協働やクライアントとの調整が必要な業務では、一定の共通時間帯の重要性が今なお指摘されています。

コアタイムに遅れたら遅刻になるのか?

本題となる、コアタイムの遅刻扱いについて詳しく見ていきましょう。

就業規則での取り扱いはどうなっているか

コアタイムの開始時刻に間に合わなかった場合、それを「遅刻」とみなすかどうかは、企業の就業規則によって異なります。

多くの企業ではコアタイムを「出勤義務時間」として定義しており、これに遅れると勤怠システム上では「遅刻」と記録されます。

例えば、コアタイムが10:00〜15:00と設定されている場合、10:15に出社した従業員は「10:00以降の遅刻」として記録され、管理上の指導対象や査定評価にも影響を与えることがあります。

企業ごとの対応にばらつきがある

一方で、コアタイムの遅刻を柔軟に扱っている企業も存在します。たとえば以下のようなケースです:

・業務への影響がなければ遅刻としない
・月内の総労働時間で帳尻が合っていれば問題ない
・事前連絡があれば遅刻控除の対象外

このように、評価制度やマネジメントスタイルによって対応は大きく異なります。

フレックスタイム制の本質を重視し、実績評価を優先する企業では、形式的な「遅刻」扱いが軽視される傾向にあります。

実際に起きるトラブルと社員の不満

コアタイムの遅刻に関する取り扱いが不明確だと、以下のような問題が発生します:

・本人はフレックスだと思っていたが「遅刻扱い」される
・チーム内で評価に差が生まれ、不公平感が強まる
・勤怠の打刻ミスや例外処理で管理部門が混乱

これらのトラブルを避けるには、制度の趣旨と規則を明確に定義し、従業員へ丁寧に周知する必要があります。

柔軟な制度運用を実現する工夫

コアタイム遅刻をめぐる誤解や不満を減らすには、制度の運用方法を見直すことが重要です。

事前連絡と承認の仕組みをつくる

例えば、家庭の事情や交通遅延などでコアタイム開始時刻に間に合わないことは誰にでも起こり得ます。

そうした場合に備えて「事前連絡のルール」「承認フローの簡素化」を整備することで、形式的な遅刻を柔軟に扱えるようになります。

また、社内チャットや勤怠システム内で簡易申請ができる仕組みがあると、運用の効率も上がります。

評価基準を明確に分離する

遅刻記録が人事評価や査定にどう影響するのか、その基準が曖昧だと従業員のモチベーションを下げる原因になります。「勤怠の正確さ」と「成果」の評価軸を分け、透明性のある評価制度を構築することが求められます。

特にフレックスタイム制では「時間管理能力」だけでなく、「自律性」「成果」など多角的な視点が重要です。

制度そのものをアップデートする

導入時から変わっていない就業規則を見直し、現代の働き方に即した内容にアップデートすることも有効です。

コアタイムの短縮、コアタイム撤廃、スーパーフレックスへの移行など、業務実態に合わせた選択肢を検討する価値は十分にあります。

コアタイム制度を正しく理解し活用するために

最後に、制度設計と従業員の理解を深めるために必要な視点を整理します。

「なぜ存在するのか?」を共有する

コアタイムがある理由を知らずに制度を使っていると、不満や疑問が生じやすくなります。

チームワークや業務効率の観点から、なぜコアタイムが必要なのかを明文化し、全体で共有することが大切です。

従業員の声を反映する仕組み

実態にそぐわない制度は、形骸化しやすくなります。

定期的なアンケートや意見収集を通じて、現場の声を吸い上げ、制度改善に反映するサイクルを回すことが、納得度の高い制度運用に直結します。

就業規則と運用のズレをなくす

制度設計と実際の運用にギャップがあると、混乱やトラブルが生まれます。

就業規則・ガイドライン・勤怠ルールが矛盾しないよう、見直しを行い、社内ポータルなどで一元管理することが望まれます。

コアタイム運用を支援する「Beacapp Here」という選択肢

BeacappHere

制度運用を仕組みで支えることで、形骸化を防ぎ、現場と管理部門双方にとって納得度の高い環境を作ることが可能です。位置情報を活用した「Beacapp Here」は、そのための強力な支援ツールとなります。

出社・在席状況を自動で可視化

Beacapp Hereは、スマートフォンアプリなどを通じて、社員の位置情報をもとに出社・在席状況をリアルタイムで把握できます。打刻ミスや申告漏れを防ぎ、コアタイム中の在席確認もスムーズに。形式的な遅刻扱いを避けるための客観的なデータとしても活用できます。

実態に基づいた制度改善が可能に

可視化されたデータをもとに、社員が実際にどの時間帯に出社しているのか、どのエリアを活用しているのかを分析できます。これにより、コアタイムの時間帯が業務実態に合っているかどうかの検証や、制度の柔軟化を検討する際の裏付けデータとして機能します。

現場にも管理者にも負担の少ない運用

位置情報をベースとすることで、従業員の申請負担もなく、管理者側も手作業による勤怠チェックを省けます。従業員の不満や混乱を減らしつつ、制度の信頼性を高める仕組みとして、現代の働き方にフィットしたソリューションです。

まとめ

フレックスタイム制は柔軟な働き方を可能にする優れた制度ですが、コアタイムという制限がある場合にはその扱いに注意が必要です。

コアタイムに遅れたときの取り扱いを明確にし、社員の納得感を得られるよう制度運用を見直すことが求められます。

遅刻=即ペナルティという旧来の考え方を引きずるのではなく、業務実態や働き手の事情を汲み取った柔軟な制度設計と運用が重要です。

制度を最大限に活かすためには、明確なルールと柔軟な対応、そして社員と企業の相互理解が不可欠です。


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