「ワンフロアなので、正直見渡せば誰がどこにいるかわかると思うので、屋内位置情報はいらないんじゃないかなと思ってて……」
これは、Beacapp Hereをご提案している中で、実際によくいただくご相談の一つです。確かに、オフィスがワンフロアであれば「人を探すのに困らない」と感じるかもしれません。
しかし実際には、ワンフロア・フリーアドレス環境の企業でもBeacapp Hereを導入いただくケースは少なくありません。なぜ「ワンフロアでも位置情報が必要」と考えられているのでしょうか。その理由を、実際のオフィス環境や導入企業の事例を交えながらご紹介します。

「ワンフロアだから探せる」は本当?

「ワンフロアだから、誰がどこにいるかはすぐにわかる」と思われがちですが、実際のオフィスではレイアウトや働き方の変化によって、人を探しにくい場面も増えています。ここでは、営業現場でもよく伺う「ワンフロアでも探しづらくなる理由」をご紹介します。
「ワンフロア=見渡せる」とは限らない
ワンフロアのオフィスと聞くと、広い空間を見渡すことができ、「誰がどこにいるのか」もすぐに分かるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、すべてのワンフロアオフィスが「人を探しやすい」環境とは限りません。例えば、次のようなオフィスではいかがでしょうか。
- パーティションや背の高い棚があり、フロア全体を見渡せない
- コの字型・L字型・円形などのオフィスで、反対側の様子がわからない
- 柱や設備によって死角が多い
- フロアは1つでも、端から端まで距離がある
このような環境では、同じオフィスにいても「どこにいるのか分からない」という場面が発生します。実際に営業活動の中でも、「ワンフロアだから不要だと思っていたものの、従業員から『人を探しづらい』という声が上がり、検討を始めた」という企業もありました。
会議室や個室の利用が人探しの難易度を上げている
近年はWeb会議の定着により、執務エリアだけではなく、会議室や電話ブース、個室で業務を行うケースも増えています。周囲を見渡しても席にいないことが多く、「今日は休みなのか、それとも会議中なのか」が分からないという場面も少なくありません。
また、急な打ち合わせや短時間の相談では、空いている会議室や個室をその場で利用するケースも少なくありません。このような場合、カレンダーへの予定登録や会議室予約を行わないことも多く、「どこにいるのか」を把握できる情報が残らないまま業務が進みます。
そのため、席にいないことは分かっても「どこを探せばいいのか分からない」という状況が生まれやすくなります。
フリーアドレス・ABWで居場所が固定されない
フリーアドレスのオフィスやABW(Activity Based Working)といった働き方の導入が進み、「いつもの席」がないオフィスも増えています。そのため、「〇〇さんに相談したいから、〇〇さんの席へ行けば会える」という行動ができなくなっています。
従来の固定席のオフィスでは、座席表を見たり、普段座っている席へ行ったりすることで相手を見つけることができました。しかし、フリーアドレスのオフィスでは日によって座る場所が変わるため、そのような探し方はできず、座席表の運用も現実的ではありません。結果として、「さっきはあそこに座っていた」「午前中は窓側にいた」といった記憶や経験を頼りに人を探す場面も少なくありません。
また、ABWでは集中作業や打ち合わせなど、業務内容に応じて働く場所を選ぶことが前提となります。そのため、一日の中でも働く場所が変わる機会が増え、人の居場所を把握することは以前より難しくなっています。
「人探し」は、業務にも影響している

人を探す時間は数分かもしれません。しかし、その数分が積み重なることで、業務効率だけでなく、コミュニケーションや新入社員の育成、承認フローなどにも影響を及ぼすことがあります。
また、カリフォルニア大学の研究によると、作業が途中で中断されると、元の集中状態に戻るまで平均23分15秒かかると報告されています。人探しや確認作業による中断も、単なる数分のロスではなく、日々の業務全体へ影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、「人探し」が業務に与える影響について見ていきましょう。
新入社員は「聞きたい相手が合っているか」不安
新しい環境で働き始めたばかりの新入社員にとって、「誰に相談すればよいのか」は大きな不安の一つです。固定席のオフィスであれば、周囲に先輩がいることが多く、自然と質問しやすい環境が生まれます。しかし、フリーアドレスでは座る場所が日によって変わるため、聞きたい相手を見つけること自体が難しくなる場面も少なくありません。
また、顔と名前が一致しないうちは、「あの人に聞きたいけれど名前がはっきりと分からない」「名前は分かるけれど顔が思い出せない」といったことも起こります。相手の名前を間違えたり、別の人に声をかけてしまったりすることを気にして、質問したいことがあっても声をかけるのをためらってしまう新入社員も少なくありません。その結果、質問するタイミングを逃したり、自分一人で調べようとしてしまったりすることもあります。
こうした小さな積み重ねが、新しい環境に慣れるまでの時間や、周囲とのコミュニケーションにも影響を与えることがあります。
承認や確認に時間がかかってしまう
業務を進める中では、「この内容を確認してほしい」「承認をもらって次の作業へ進みたい」といった場面が日常的に発生します。近年では、ワークフローシステムなどを活用して承認業務を行う企業も増えています。
しかし実際には、「この認識で合っていますか?」「ここだけ確認させてください」といった短時間の確認を口頭で行う場面も少なくありません。その場で一言相談できれば数分で終わる内容でも、チャットやワークフロー上だけでやり取りをすると、何度も確認のラリーが発生し、かえって時間がかかることもあります。
口頭で確認しようとする際、相手がどこにいるのか分からなければ、まず探すことから始まります。一人に確認するだけなら探す時間は数分で済むかもしれません。しかし、複数の担当者や管理職へ順番に確認・承認を依頼する業務では、そのたびに相手を探す時間が発生します。
こうした小さな時間の積み重ねが、承認フロー全体のスピードや業務効率に影響することも少なくありません。
「今日は出社してる?」が分からない
ハイブリッドワークを導入している企業では、「今日は出社しているのか、それとも在宅勤務なのか」が分からない場面も増えています。特に他部署のメンバーや、普段あまり関わらない相手になるほど、出社状況を把握することは難しくなります。
「執務エリアを探しても見つからないため在宅勤務だと思っていたら、Webブースで打ち合わせをしていた」「在宅勤務だと思ってチャットを送ったら、実は出社していた」といったすれ違いは、決して珍しいことではありません。出社していることが分かれば直接声をかける、在宅勤務であればチャットやオンライン会議で連絡するといったように、相手の状況に応じて最適なコミュニケーション方法を選ぶことができます。
「今日はどこで働いているのか」を把握できることは、スムーズなコミュニケーションや業務の進行につながります。一方で、「今日はオフィスなのか、在宅なのか」「オフィスならどこで働いているのか」が分からなければ、コミュニケーションの行き違いや業務の停滞につながることも少なくありません。
実際に導入した企業ではどうだった?

ここまでご紹介したような課題は、実際にフリーアドレス環境の企業でも発生しています。では、Beacapp Hereを導入した企業ではどのような変化があったのでしょうか。実際の導入事例をご紹介します。
「ちょっとした会話」で業務がスムーズに進む。(シオノギヘルスケア株式会社様)
シオノギヘルスケア様では、2025年11月にオフィス移転をし、現在はワンフロア・フリーアドレスのオフィスでBeacapp Hereをご活用いただいています。同社ではオフィス移転のテーマの一つとして「社内コミュニケーションの活性化」を掲げ、部署や部門の垣根を超えた交流から新しいアイデアや気づきが生まれる環境づくりを目指していました。その実現に向け、仕事内容に合わせて働く場所を自由に選択するABWの運用にも取り組んでいます。
ABWを実現するにあたって課題となったのは、人の移動が増えるほど「誰がどこにいるのか分からなくなる」という点です。また、フリーアドレスに伴って座席表がなくなり、新入社員や中途入社の社員も多い同社では、「誰がどこにいるか」だけでなく、「その人が誰なのか」が分かる仕組みも重要となりました。
Beacapp Hereの導入後は、「話しかけたい人にすぐ話しかけられる」環境が整い、社内アンケートでは約86%が人探しの時間短縮を実感しています。また、「話しかけるタイミングを判断しやすくなった」「顔と名前が一致しやすくなった」といった声や、無駄な移動や居場所確認のためのチャットが減り、業務効率が向上したという意見も寄せられています。
さらに、複数人への確認や承認が必要な場面でも、Beacapp Hereで担当者の居場所を確認しながら効率よく回れるようになり、「ちょっとした会話」が生まれやすい環境が、業務をスムーズに進めることにもつながっています。
▶ シオノギヘルスケア様の導入事例はこちら
https://jp.beacapp-here.com/case/shionogi-hc
多様な働き方に対応。新入社員も活用(株式会社JPメディアダイレクト様)
JPメディアダイレクト様では、オフィスのフリーアドレス化に伴い、「誰がどこにいるのか分からなくなる」「在宅勤務と出社の把握がしづらくなる」「コミュニケーションが希薄になる」といった課題を感じていました。こうした課題を解決するため、出社時の位置情報と在宅勤務状況を一元的に把握できるツールとしてBeacapp Hereをご活用いただいています。
ワンフロアのオフィスである同社でも、フリーアドレス運用開始後には「誰がどこにいるかわからなくて困る」という声があったということです。Beacapp Hereの導入により「誰がどこにいるのか」「今日は出社しているのか」をすぐに確認できるようになり、話したい相手が勤務中かどうかを確認してから声をかけたり、在宅勤務であれば電話やメールなど状況に応じたコミュニケーション方法を選んだりと、多様な働き方に合わせた運用が実現しています。
また、顔写真付きのアイコンを活用することで、新入社員が社員の顔と名前、部署を覚えるためのツールとしても活用されています。実際に、「名前を確認してから声をかけることでコミュニケーションが円滑に進む」「位置情報と合わせて確認できるため分かりやすい」といった声もあり、人探しだけでなく、新しい環境で安心してコミュニケーションを取れる環境づくりにも役立っています。
▶ JPメディアダイレクト様の導入事例はこちら
https://jp.beacapp-here.com/case/jp-media-direct

まとめ
「ワンフロアだから、フリーアドレスにしても人探しに困ることはない」と思われることも少なくありません。しかし実際には、オフィスの形状や什器による見通しの悪さ、ABWやハイブリッドワークによる人の移動の増加やwebブースや個室の利用など、働き方の変化によって「誰がどこにいるのか」が分かりにくくなる場面は増えています。そのため「ワンフロアだから位置情報はいらない」とは、一概に判断することはできません。どのような働き方やオフィス運用を目指すのかという視点で考えることが大切なのかもしれません。
これからフリーアドレスやABWの導入・運用を検討されている方、あるいはオフィスでの「人探し」にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社にあった運用方法を一緒に考えさせていただきます。
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