2026/09/11

見守りシステムとは?種類・メリット・選び方を解説

高齢者の在宅見守りから、介護・福祉施設の業務効率化、屋内位置情報の活用まで高齢者の安全を守りながら、家族や介護職員の負担を軽減する方法として、見守りシステムへの注目が高まっています。

本記事では、見守りシステムの仕組みや種類、介護・福祉施設へ導入するメリット、位置情報を活用する利点、選定時の確認ポイントを分かりやすく解説します。

見守りシステムとは

見守りシステムの基本的な仕組み

見守りシステムとは、センサーやカメラ、ナースコール、位置情報端末などを使い、高齢者や施設利用者の状態・行動・居場所を把握し、必要に応じて家族や職員へ通知する仕組みです。検知した情報は、受信機やネットワークを通じて管理画面、パソコン、スマートフォンなどへ送られます。

単に映像を確認するだけでなく、一定時間動きがない、ベッドから離れた、立入禁止区域へ近づいた、呼出ボタンが押された、といった変化を自動で知らせる製品もあります。見守る人が常に画面を監視するのではなく、対応が必要な場面をシステムが知らせることで、安全確保と業務効率化を支援します。

見守りシステムが必要とされる背景

見守りシステムが求められる背景には、高齢化の進行、一人暮らしの高齢者の増加、介護現場の人手不足があります。在宅では、離れて暮らす家族が日常の様子を把握しにくく、急病や転倒が起きても発見が遅れる可能性があります。介護・福祉施設では、限られた人数で多くの利用者を見守る必要があり、特に夜間の定期巡回やナースコール対応が職員の大きな負担になりがちです。

人による見守りは欠かせませんが、すべての居室や共用部を常時確認することは困難です。そこで、異常の兆候や支援を必要とする状況を早期に捉え、必要な場所へ職員を向かわせる補助的な手段として、見守りシステムの活用が広がっています。

在宅向けと施設向けの違い

在宅向けは、生活動線に設置したセンサーによる安否確認、緊急ボタン、家族への通知、警備員の駆けつけなどが中心です。プライバシーへの配慮から、カメラを使わず人の動きだけを検知する方式もあります。

一方、施設向けは、多数の利用者を複数の職員で見守るため、離床センサー、見守りカメラ、ナースコール、スマートフォン、介護記録などを連携させる構成が一般的です。選定時は、対象人数や建物の広さだけでなく、誰がどの通知を受け、どのように対応するかまで設計する必要があります。

見守りシステムの主な種類

センサー型

センサー型は、人感センサー、ドア開閉センサー、ベッドセンサー、マットセンサーなどで動きや状態の変化を検知します。居室内を撮影せずに安否や離床を把握できるため、プライバシーに配慮しやすい点が特長です。たとえば、一定時間動きがない、ベッドから起き上がった、居室の扉が開いたといった条件を設定し、異常時に通知します。

ただし、設置場所や利用者の生活パターンによって誤検知・見逃しが生じる可能性があります。導入前に検知範囲、通知条件、感度を実環境で調整することが重要です。

カメラ型

カメラ型は、居室や共用部の映像を確認し、転倒や徘徊などの異常を早期に発見する方式です。センサーから通知を受けた後に映像で状況を確認できれば、訪室の必要性や緊急度を判断しやすくなります。AI画像解析により、転倒や危険行動を自動検知する製品もあります。

一方、撮影される利用者の心理的負担や個人情報の管理には十分な配慮が必要です。撮影範囲、録画の有無、保存期間、閲覧権限、利用目的を明確にし、利用者や家族への説明と同意取得を行いましょう。

ナースコール連携型

ナースコール連携型は、利用者からの呼出を職員のスマートフォンや携帯端末へ通知する仕組みです。呼出場所や利用者情報を手元で確認できるため、スタッフステーションに戻らず対応を判断できます。センサーやカメラと連携させれば、離床検知などの通知も同じ端末に集約できます。複数の職員へ通知する、未対応時に別の職員へ転送する、優先度を表示するといった運用も可能です。

ただし、通知が多すぎると重要なアラートが埋もれるため、緊急度に応じた通知先とエスカレーションの設定が欠かせません。

位置情報・ビーコン型

位置情報・ビーコン型は、利用者やスタッフが携帯するタグと、施設内に設置した受信機などを用いて居場所を把握します。GPSが利用しにくい屋内では、Bluetooth Low Energy(BLE)を利用するビーコン、Wi-Fi、UWBなどが選択肢になります。利用者が特定エリアへ入った際の通知、居場所の検索、スタッフへの応援要請、所在確認などに活用できます。

ビーコンは小型・省電力の端末を構成しやすい一方、壁や扉、人の密集、受信機の配置によって電波状況が変わります。部屋単位かエリア単位かなど、必要な測位精度を決めて現地検証を行うことが重要です。

介護・福祉施設に見守りシステムを導入するメリット

利用者の安全性を高められる

見守りシステムを導入すると、離床、転倒、長時間の不動、危険区域への接近などに早く気づける可能性があります。職員が別の利用者を介助している間もシステムが状態変化を検知するため、見守りの空白を補いやすくなります。通知内容や映像、位置情報を基に緊急度を判断できれば、必要な支援へ迅速につなげられます。

ただし、システムは事故を完全に防止するものではありません。利用者ごとのリスク評価やケア計画と組み合わせ、機器の故障や通信断が起きた場合の対応も定めておく必要があります。

職員の見回り負担を軽減できる

定時巡回だけに頼らず、異常の兆候がある居室を優先して確認できれば、不要な移動や訪室を減らせます。ナースコールやセンサー通知をスマートフォンへまとめることで、職員は現在地から対応の要否を判断しやすくなります。移動時間が減れば、身体介助や利用者との会話、記録作成など、本来時間をかけたい業務に集中できます。

効果を高めるには、導入前後で巡回回数、対応時間、移動距離、通知件数などを比較し、負担がどの程度変化したかを確認するとよいでしょう。

夜間の見守りを効率化できる

夜間は配置職員が少ない一方、転倒や離床への注意が必要です。ベッドセンサーや見守りカメラを活用すると、睡眠を妨げる一律の訪室を減らしつつ、状態変化があった利用者を優先して確認できます。居室へ入らず状況を把握できれば、利用者の安眠にも配慮できます。

また、複数の通知が重なった場合も、通知内容や緊急度を確認して対応順を決めやすくなります。夜勤者が迷わないよう、一次対応者、不応答時の応援要請、緊急時の連絡先をあらかじめ明文化しておくことが大切です。

見守りデータを業務改善に活用できる

システムに蓄積された呼出時刻、対応時間、離床回数、滞在場所などのデータは、業務改善の材料になります。時間帯別に通知が集中する場所や、対応に時間がかかる業務を可視化できれば、職員配置や巡回ルート、ケア方法の見直しに役立ちます。個々の利用者についても、生活リズムの変化を把握し、支援内容を検討する手がかりになります。

ただし、データだけで状態を決めつけず、職員の観察や本人の意向と合わせて判断することが重要です。利用目的、保存期間、アクセス権限も定め、適切に管理しましょう。

見守りシステムで位置情報を活用するメリット

利用者の居場所を把握しやすくなる

位置情報を活用すると、利用者を探す時間を短縮し、必要な支援へ早くつなげられます。特に、複数階に居室や共用スペースが分かれる施設では、最後に確認されたエリアが分かるだけでも捜索範囲を絞れます。出入口や階段、立入制限区域などをあらかじめ登録し、対象者が近づいた際に通知する運用も可能です。

常時追跡すること自体を目的にせず、対象者、取得する情報、閲覧できる職員、利用場面を限定し、尊厳やプライバシーに配慮した運用ルールを整える必要があります。

スタッフの位置も把握できる

スタッフの位置情報は、利用者からの呼出に最も近い職員を確認したり、応援が必要な場所へ人員を割り当てたりする際に役立ちます。緊急時に近隣の職員へ一斉通知できれば、初動の迅速化が期待できます。また、時間帯ごとの移動傾向を匿名化・集計して分析すれば、巡回ルートや物品配置の改善にも活用できます。

一方、職員に過度な監視と受け取られないよう、取得目的と閲覧範囲を明示し、人事評価など別目的へ安易に転用しないことが重要です。導入前に職員へ説明し、現場の意見を反映させましょう。

ビーコンなら屋内でも位置を把握できる

衛星測位を利用するGPSは、建物内では電波が届きにくく、階や部屋を十分に識別できない場合があります。BLEビーコンを使う方式では、タグが発信する識別情報を施設内の受信機で捉える、またはスマートフォンが設置ビーコンを検知することで、屋内のエリアを推定できます。既存のネットワークや小型タグを活用できる構成では、比較的導入しやすいことも利点です。

ただし、電波強度は壁、金属製設備、扉の開閉、人の動きなどに影響されます。必要な精度に合わせて受信機の台数と設置位置を設計し、実際の利用時間帯に検知精度のテストを行うことが欠かせません。

見守りシステムを選ぶポイント

導入目的を明確にする

最初に、見守りシステムで解決したい課題を具体化します。「安全性を高めたい」だけでなく、転倒につながる離床を早く把握したい、夜間巡回を減らしたい、利用者を探す時間を短縮したい、ナースコール対応を迅速化したい、といった場面まで整理しましょう。課題の優先順位が明確になると、必要な機能と不要な機能を見極めやすくなります。

あわせて、導入前の巡回回数や平均対応時間などを把握し、導入後に評価する指標を決めておくと、費用対効果を検証できます。

検知・測位の精度を確認する

製品資料に記載された精度だけでなく、実際の施設環境で期待どおりに検知できるかを確認します。

センサーはベッドや家具の位置、利用者の体格や動作によって反応が変わり、無線測位は壁材、扉、階段、エレベーター、電波干渉などの影響を受けます。誤検知が多いと通知への注意が薄れ、見逃しにつながりかねません。

可能であれば一部エリアで試験導入し、検知率だけでなく、誤通知の件数、通知までの時間、電池寿命、通信断からの復旧なども確かめましょう。

既存設備・システムと連携できるか確認する

ナースコール、スマートフォン、Wi-Fi、見守りカメラ、介護記録システムなど、既存設備との連携可否を確認します。連携できれば情報を一つの端末や画面へ集約でき、複数機器の持ち替えや二重入力を減らせます。

一方、メーカーや型式によって接続方法が異なり、追加機器、配線工事、ソフトウェア改修が必要になる場合があります。現状の機器一覧とネットワーク構成を整理し、連携範囲、更新時の影響、保守窓口、障害発生時の責任分界まで導入前に確認しておくことが大切です。

職員が使いやすいシステムを選ぶ

高機能でも、通知内容が分かりにくい、操作手順が多い、端末が重いといった問題があると定着しません。実際に使う職員にデモや試験運用へ参加してもらい、画面の見やすさ、通知音、装着性、充電方法、手袋着用時の操作などを確認しましょう。

また、すべての通知を全員へ送るのではなく、役割や担当エリアに応じて通知先を分ける設計も重要です。導入時の研修、マニュアル、問い合わせ窓口、定期的な設定見直しを含め、運用を継続できる支援体制があるかも選定基準になります。

位置情報を活用して施設の見守りを効率化するなら

施設内で「利用者がどこにいるか分からない」「呼出場所の近くにいるスタッフへ早く応援を依頼したい」「捜索や移動に時間がかかる」といった課題がある場合は、位置情報を活用した見守りシステムが有効な選択肢です。中でもBLEビーコンを利用する方式は、GPSが届きにくい屋内で、フロアや部屋、共用部などのエリア単位で位置を把握する用途に適しています。

導入にあたっては、まず測位対象を利用者、スタッフ、物品のどこまでとするかを決めます。次に、求める粒度を「建物内にいるか」「何階にいるか」「どの部屋にいるか」まで具体化します。精度を高めるほど受信機の台数や設置調整が増えるため、目的に対して過不足のない設計が重要です。現地調査では、壁や扉、金属設備、既存Wi-Fiなどの影響を確認し、実際の動線で受信テストを行います。

また、位置情報だけを単独で表示するのではなく、ナースコールやスマートフォン通知と組み合わせることで、発生場所、利用者情報、近くにいる職員を一つの流れで確認しやすくなります。小規模な実証から始め、探索時間や対応時間がどの程度短縮されたかを測定しながら、受信機配置や通知ルールを調整するとよいでしょう。

まとめ

見守りシステムは、センサーやカメラ、ナースコール、位置情報などを活用し、高齢者や施設利用者の安全確保と職員の業務負担軽減を支援する仕組みです。導入時は、転倒・離床の検知、居場所の把握、夜間巡回の効率化など、解決したい課題を明確にしたうえで適切な方式を選びましょう。

特に施設内の人の居場所を把握したい場合は、ビーコンを活用した屋内位置情報システムも有効です。実環境で検知・測位精度を確認し、プライバシーや運用ルールにも配慮することが、継続的な活用につながります。


▶︎株式会社ビーキャップ
https://jp.beacapp-here.com/corporate/

▶︎Beacapp Here|ホームページ
https://jp.beacapp-here.com/

▶︎Beacapp Here|Facebook
https://www.facebook.com/BeacappHERE/

▶︎Beacapp Here|Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCSJTdr2PlEQ_L9VLshmx2gg

▶︎Beacapp Here|note
https://note.com/beacapp_here