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2023/10/26

オフィス回帰を拒む社員と望む経営層|『オフィス』をワークプレイスの選択肢とするためにできることとは?

テレワークが普及し、オフィス以外で働くことも一般的になってきた中で、今度は社員をオフィスに呼び戻す「オフィス回帰」の取り組みが多くの企業で進められています。本記事では、企業がオフィス回帰を求める理由や社員にオフィス出社を促すために必要なことを解説します。

オフィス回帰とは?

オフィス回帰とは

従来はオフィスワークが原則とされていましたが、感染症の拡大などによりオフィス出社が困難な場面も多くなり、テレワークが急速に普及しました。そして今、感染症の収束に伴ってまたオフィスへの出社を促す動きが見られます。このように社員がテレワークからオフィスワークに戻ってくることを「オフィス回帰」と言います。

オフィスワークとテレワークの双方を経験し、それぞれのメリット・デメリットを実感した今、これからの働き方を考え直す大切な局面に我々は立たされています。

出社

オフィス回帰を拒む社員

通勤時間の削減や通勤時の満員電車からの解放、電話や他人の話し声に邪魔をされずに集中できるなど、社員にとってテレワークで得られるメリットは多くあります。中でも仕事の他に家事・育児・介護などの家庭の仕事をこなさなければいけない現代の労働者において、ライフワークバランスが取りやすくなることはテレワークを望む大きなポイントとなるでしょう。

オフィス回帰をすれば、社員は出社をしなければなりません。そうなると、テレワークで自分の都合に合った働き方に慣れている社員としては「通勤時間がかかる」「満員電車に乗らなければいけない」「身だしなみを整えるのが面倒」など、オフィスワークを負担に感じることもあるでしょう。またオフィス回帰により、テレワークの大きなメリットであったライフワークバランスを保ちやすい状態が壊されかねません。

オフィスワークでは仕事とプライベートを完全に切り分けなければいけなくなるため、「隙間時間に家事をする」「仕事の合間に病院へ行く」「子どもの休学・休園に対応する」などといったテレワークの時にはできていたことの実現が困難になります。

このように自分にあった自由な働き方ができないことを負担に思う社員から、オフィス回帰を拒む声が生まれてしまう恐れがあるため注意が必要です。

対立

オフィス回帰を望む経営層

テレワークが浸透する中で、「勤怠・労務管理が複雑になる」「業務管理や進行状況の共有などがしづらく、マネジメントが困難になる」という社員の管理面における課題が多くありました。また社員同士のコミュニケーションが不足してしまいかねないことから、それに伴うモチベーションの低下、情報共有不足による業務の非効率化、業務に適した環境で働くことのできない生産性の低下なども恐れられていました。

オフィス回帰をすると社員は出社し、オフィスで業務につくようになります。働く社員の姿が確認でき、従来の働き方に近い環境が作り出されるため、労務管理や業務管理がしやすくなるでしょう。また多くの社員がオフィスにいるため、自然とコミュニケーションが生まれやすく、モチベーションの向上や業務効率の向上も期待できます。

テレワークが普及したことにより、オフィスワークとの違いや新たな課題に直面した経営層からはオフィス回帰を望む声も少なくありません。オフィス回帰を望む経営層と拒む社員の気持ちのズレを軽減し、双方にとってより良い働き方を構築する必要があります。

ワークプレイスの正解とは

オフィス回帰にマイナスなイメージを持つ社員がいる以上、強制的なオフィス回帰は反感を生み、離職率をあげてしまう恐れがあります。またテレワークはもちろん経営層にもメリットのある働き方だったので、ただ従来のオフィスワーク100%に戻すというということもなかなか決断がしづらいでしょう。

それではこれからの働く場所、ワークプレイスの正解は一体何なのでしょうか。

*テレワークのメリットについて詳しくはこちら新しい働き方“ハイブリッドワーク”について|メリットと導入成功の秘訣

疑問 問題 課題

働き方を考えて、働く場所を選択する

「オフィス回帰」について考える上で注意しなければいけないのは、その論点が「働く場所」になっているということです。オフィスで働くのか、オフィス以外で働くのか、それぞれメリットとデメリットがあるので、場所だけに論点を絞ってしまうとなかなか選択することができません。大切なのは、その場所で何をするのかということです。改めて「オフィス回帰」で問題となっているのは、「働く場所」です。つまり「働くため」の場所ですから、「どのような働き方をするのか」「どのような仕事をするのか」をまず第一に考える必要があります。

たとえばテレワークで顧客への見積書を作成している時に、側に子どもがいたら「騒がしくて集中できない、オフィスで作業したい」と思うかもしれません。ですがいざオフィスへ出社してみたら、「他の社員たちがディスカッションしている声が騒がしくて集中できない」という状況では意味がありません。今必要なのは集中して見積もりの作成ができる静かな環境ですので、それが実現できればそれがオフィスでもオフィス以外でも大きな問題ではないのです。

「働き方」と「働く場所」は非常に親和性が高いものです。働き方に適した働く場所を選ぶことで、業務時間の短縮やよりクリエイティブなアイデアの創出などを期待することができます。企業は社員がそれぞれに適した場所で働くことが出来るように、ルールの構築や設備の充実をする必要がありますし、社員も常に働き方を考え、働く場所を選んでいく必要があります。

通勤時間はムダ時間?

オフィス回帰にマイナスなイメージを持つ社員の中で多い意見としては、「通勤時間がもったいない」です。通勤時間が片道1時間かかったとして往復で2時間、この時間をたとえば家事や趣味、リフレッシュのために活用したいと思う人は多いでしょう。テレワークであれば通勤時間が0時間のため、このような気持ちになるのも頷けますが、では通勤時間は本当にムダ時間なのでしょうか?

通勤時間

テレワークを経験した方からよく耳にするデメリットとして、「自宅には働くための環境がない」ということです。オフィスにある椅子やデスクは働くために用意されたものなので、長時間座っても疲れにくく、広いデスクでは作業がしやすいという利点があります。一方、家のダイニングチェアは長時間座るために作られたものではない上に、ダイニングテーブルも食事のために作られたものなので、高さが働く環境にはあっていません。このような環境で労働を続けると、疲労が蓄積され、作業効率の低下を招きます。

通勤時間は「働く」に適した環境へ移動する時間です。確かにこの時間を0にできたらその分他のことに取り組むことができますが、働いている時間は働きにくく、辛い環境になる恐れがあります。作業効率の低下が業務の遅れを促し、長時間労働を生んでしまう可能性もあります。また疲労の蓄積は心身に不調をきたすこともありますので注意が必要です。

しかし、人によっては自宅で集中して働ける環境が用意されている場合もありますし、育児や介護でどうしても出社することが難しい人もいます。そのような人に無闇に毎日の出社を義務付けてしまうと、それがきっかけで就労不能な状況に追い込んでしまい、離職を考えるきっかけになる恐れがあります。「働くための移動時間」が「離職を考えるきっかけ」となるのであれば、その時間は確かに「ムダ時間」と言えるでしょう。企業も社員も、通勤時間は「ムダ時間」にも「必要な時間」にもなりうるということを認識する必要があるのです。

オフィスワークの付加価値とは

働く場所を選択する場面で社員が自ら「オフィス」を選ぶようにするためには、オフィスに出社する意味や意義が必要です。従来のオフィスは「働く」に特化した環境ではありましたが、オフィスならではのものではありませんでした。実際オフィスワークからテレワークへの切り替えの際も、不便はあったかもしれませんが、不可能ではありませんでした。テレワークをより快適に行うため、自宅で働くための環境を整えた人もいるでしょう。

このような状況にある今、出社したくなるオフィスを作るためには、「働くに特化した環境」に加えて、新たな価値を創出する必要があります。

選ばれる 正解 注意

対面コミュニケーションの場としてのオフィス

テレワークに取り組む中で、チャットやオンライン会議などさまざまなツールが普及しましたが、対面でのリアルなコミュニケーションも大切と実感した人も多いのではないでしょうか。

離れた場所にいてもオンライン上に集まって、画面越しに顔を合わせながら行う「オンライン会議」は、「報告」や「共有」を行うことには長けておりますが、さまざまなアイデアを出し合う「ブレスト」などにはあまり向いていないとされています。その理由は、「オンライン会議」では基本スピーカーが一人に絞られてしまうため、その場にいた人の小さな発言やアイデアを拾いにくいという欠点があるためです。より活発で有意義な議論、コミュニケーションを展開するためには、オンラインよりもリアルの方がよいでしょう。

対面 働く コミュニケーション

従来通りの閉鎖的な会議室だけではなく、より自由に利用、発言、交流ができるような場所を用意することで、円滑なコミュニケーションが取れる場所という付加価値を、オフィスに与えることができるでしょう。

*今後のオフィスの活用について詳しくはこちら:進めるオフィスの最適化「ハイブリッドワークで変わるオフィスの在り方」|オフィス分析でオフィスの有効活用

社員の結束力を高める場としてのオフィス

テレワークではコミュニケーション不足による、業務効率の低下、生産性の低下が心配されています。テレワークでも人と繋がるための手段は多くありますが、どれも偶発的なものではなく、「確認をしよう」「連絡をしよう」という意思に基づきます。このような意思が多方面に働けばいいのですが、限られた環境で仕事をしている場合、そのような状態を維持するのは難しいでしょう。

リアルな空間を共有することで自分の意思に基づかなくとも、同じ空間にいる人の話が自然と耳に入ってきたり、小さな情報までリアルタイムで拾いやすいという効果が期待できます。スムーズな情報共有により、仕事も円滑に進めることができるでしょう。

また、オンラインとリアルで明確に差が出るコミュニケーションのひとつに「雑談」があります。仕事には関係ないことでも、日常のちょっとした場面で会話することで、その人の人となりを感じることができます。それによって仕事を頼みやすくなったり、意見交換がしやすくなるなど業務面での効果が期待できます。

さまざまな部署の社員が自然と集まるような場所をオフィスに用意することで、部署をまたいでの交流も増え、社員全体での結束力が高まり、オフィスの付加価値として捉えることができるでしょう。

働く場所を選ぶ負担を軽減するためのオフィス

自分にあった働く場所を自由に選ぶことができるというのはメリットにも思いますが、反対に言えば、今の業務に適した働き方は何か、それに適した場所はどこかを常に考え、選択していく必要があるということです。

我々は一日を通してさまざまな業務を行うので、業務によって理想の環境が変わるということもあるでしょう。そんな中、テレワークで自宅での勤務となると、働く場所として考えられるものは「家」のみです。たとえばダイニングテーブルからリビングテーブルへ、といったように家の中で働く場所を変えることはできますが、大きく環境を変化させることは困難でしょうし、その環境全てが仕事に適しているとは考えづらいです。

近年のオフィスではフリーアドレス型のオフィスが主流となりつつあります。フリーアドレスとは、オフィスの中で固定席を持たず、オフィスの中に用意されたさまざまな場所から自分の好きな席で働くというスタイルのことです。フリーアドレスのオフィスでは「執務エリア」「集中エリア」「リラックスエリア」「カフェエリア」「Webブースエリア」など、業務の特性に応じて場所を使い分けることができるようにエリアが設定されています。一つのオフィスという空間の中で限定して働く場所を選ぶことができるので、もし働いてみて「違うな」と思ったら同じオフィス内の別の席に移動するだけで最適な環境を得ることができるのです。

フリーアドレス

業務内容に応じて都度働く場所を選ぶことができ、またその選択が間違えていると感じた時はすぐに場所の選び直しができる、そんなフリーアドレスのオフィスは選択の負担を軽減するという付加価値を持ったオフィスと言えるでしょう。

*フリーアドレスと座席のIoT化について詳しくはこちら:「座席」のIoT化でフリーアドレスの課題を解決|最新テクノロジーの導入で手に入れる理想のオフィス環境

大切なのは「柔軟性」

これからの働き方、これからの働く場所を考えていく中で大切なことは「柔軟性」です。

今の労働者のライフスタイルは多様化しており、それにともなって理想とする働き方や環境も変化しています。多様化するニーズに対応するためには、「今まではこうだった」「みんながこうだから」といった固定的な考えではなく、それぞれに合った働き方、働く場所を提供できる柔軟性が求められるのです。

前出したようなフリーアドレスのオフィスでは、業務内容だけでなく、「ちょっと気分転換がしたい」といった社員個人の気持ちにも寄り添って働く場所が選択できる環境を提供できます。このように柔軟に働く場所を選ぶことができる、その機能が備えられていることが今後のオフィスでは重要です。

ウェルビーイング

まとめ

「オフィス回帰」という言葉が先行していますが、そもそも働く場所を決めるためには、働き方を見直す必要があります。理想の働き方に合わせて柔軟に働く場所を選ぶことができる、そんなオフィスがあったら、社員は自然と出社したくなるのではないでしょうか。

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