ワークスタイルやオフィススタイルが変化していく中で、「今求められる最適なオフィス運用」に頭を抱える企業も少なくありません。
「今日あの席使えるかな…?」
「今のオフィスで座席はどれぐらい用意すればいいの…?」
「今日何人の社員が出社するの…?」
このような疑問を解消し、オフィスの有効活用をサポートするホテリングについてご紹介します。
新しいオフィスで注目されるホテリング
ホテリングとは
ホテリングとは、たとえば旅行に行くためにホテルを予約するように、オフィスのスペースを事前に予約するシステムのことです。そもそもホテリングは、1990年代のアメリカで提案された新たなオフィススタイルで、フリーアドレスから派生したものと言われています。
出社前に社員自ら座席の予約をして出社することで、「出社したけど座席が空いていない」「座席を探すのに時間がかかる」といった問題を解決し、スムーズな業務開始をサポートします。またオフィスの予約状況から、オフィスのレイアウト変更や移転の際の指標にするなど、オフィス運用の最適化を図るためのデータとしても活用することができます。
ホテリングはただオフィスのスペースを予約するだけでなく、それにともなって社員と企業双方にさまざまなメリットを生み出す可能性のあるシステムなのです。
ホテリングが注目される理由
今、ホテリングが注目されている理由の一つに、多様化するワークスタイルに適応するように変化するワークプレイス、オフィススタイルの変化があります。これまでのオフィスは社員全員に固定席が用意されていて、社員は毎日出社し、決められた“自分の席”で1日の業務をこなすというものでした。しかし近年では働き手のニーズの変化に伴いワークスタイルの変化が著しく、テレワークやリモートワーク、在宅ワークのようにオフィス以外のワークプレイスでの勤務を取り入れる企業、またそのような働き方を選ぶ働き手も増えています。働く場所がオフィスに限定されなくなったことが、オフィスという場所の意義や有効活用について考えるきっかけともなり、その中でフリーアドレスを採用する企業が増えています。
フリーアドレスとは、社員が固定席を持たずに業務内容に合わせてオフィスの中で働く場所を選ぶオフィススタイルのことです。固定席がない代わりに集中エリアやコミュニケーションエリア、個室、リラックスエリアなど、様々な業務に適応できるようにオフィスの中がエリア分けされているのが特徴的です。フリーアドレスでは、社員数よりも少ない数の座席しか用意されていないので「出社してみたら座席がなかった」「使いたい席が空いていなくて困る」「座席を探すのに時間がかかって業務効率が悪い」といった場面が生まれてしまうこともあります。さらに「使いたいと思っていた座席が空いていないから仕方なくこっちでいいか,,,」と希望とは異なる場所を選んで働くことになる可能性も考えられます。これではせっかくのフリーアドレスのオフィスを最大限に活用することはできません。こうした事態を避けるべく今、出社前に座席の予約、つまりホテリングが注目されているのです。
そのほかにも感染症が猛威を振るっている環境下では、社員の健康および安全を守るため、濃厚接触者の特定や出社率の制限が必要でした。座席の予約しその使用状況を把握することで、誰がどこの座席を使っていたのかを特定することや今どれぐらいの人数の社員がオフィスにいるのかを把握することができます。予約だけではなく、社員の安全を守るという観点からも、ホテリングは注目され、これらが要因となり導入する企業が増えているのです。
*フリーアドレスについて詳しくはこちら
オフィスDXとは?フリーアドレスやABW、働き方改革で変わるオフィスのカタチと価値
あの人は今どこにいる?ハイブリッドワークやフリーアドレスで、社員の居場所が見えにくくなってしまうことの解決法
ホテリング導入のメリット・デメリット
ホテリング導入のメリット
ホテリングシステムを導入すると、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
出社状況を可視化して、スムーズな勤怠管理ができる
使用する席やスペースといったオフィスの設備を事前予約することによって、「誰が」「いつ」「何時から何時まで」出社勤務する予定なのかを把握することができるようになります。多様化する働き方の中で、特にテレワークやハイブリットワークをしている社員は、いつ出社するのか分かりにくいものです。ホテリングが導入されていれば、多様化する働き方のデメリットな部分を補えるでしょう。
また、フリーアドレスでは社員それぞれがオフィスのどこにいるのかわかりにくくなるというデメリットがあります。そんな時にもホテリングを活用していれば、探している特定の社員がどこにいるのかを画面上ですぐに探しだすことができます。これもホテリングのメリットの一つと言えるでしょう。
オフィスの稼働状況を可視化して、最適化ができる
ホテリングによりどのスペースがより多く予約されていて、反対に予約の少ないスペースはどこなのかというようなオフィスの状況を可視化することができます。この情報を元にオフィスの省スペース化やレイアウト変更を行うことができるでしょう。人気のスペースの座席や面積を増やして、あまり活用されていないスペースは縮小し、代わりに空いたスペースをカフェやリラックススペースとして活用することもおすすめです。
オフィスの実際の稼働状況を把握して推進するオフィスの最適化は、社員のモチベーションや満足度を高めることが期待できます。その結果、社員一人ひとりの生産性の向上にも繋がるでしょう。
状況に応じた柔軟なスペース活用ができる
業務内容によっては、複数の人とコミュニケーションを取りながら進めることもあります。通常であれば会議室でミーティングが開かれますが、フリーアドレス化やWeb会議の普及により大規模な会議室が撤去あるいは縮小され、会議室の確保が困難だったり、そもそも会議室が無かったりする企業も少なくないはずです。
ホテリングであればスペースを部署やチーム単位での予約が可能なので、個人で利用するほか、部署やチームといった複数名で利用するといった状況に合わせて柔軟に使い方を変更することができます。またスペースによっては、集中できる席やリラックスしながら働けるスペースなどの特性があるでしょう。気分や作業内容に合わせてスペースを選べるところも、ホテリングのメリットのひとつです。
在席管理による感染症対策
社員が自分で座りたい席を自由に選択できるフリーアドレスでは、複数の社員がひとつのスペースに集中してしまう場合もあります。また出社する社員が増えるようになるとオフィス全体で人が密集してしまうこともあります。企業のBCP対策として感染症の拡大を阻止するため、出社率の制限や蜜を避けたオフィス利用を社員に促すことが必要です。ホテリングの活用で企業側が事前に出社の予約状況を把握することができるため、出社を調整する、もしくは使用スペースの変更を促すことも可能になります。
またフリーアドレスでは、だれがどこに座っていたのかという在席管理が困難となります。そのためフリーアドレスの運用によっては、もし社内で感染症が発生した場合でも、感染経路や接触者の特定といった調査が難しくなる可能性があるのです。これに対し、ホテリングシステムの活用で在席管理できるため、殺菌・消毒の手間も最小限に抑えつつ、より適切な感染対策が可能です。
ホテリング導入のデメリット
ホテリングにはメリットが多い一方、デメリットもあります。導入前にデメリットを認識し、またそれを解消するためのポイントを抑えて運用していきましょう。
予約の手間がかかる
出社する日は毎回座席や使用するスペースの予約をしなければならないため、毎回予約する煩わしさを感じるかもしれません。またホテリングでは基本的にスマートフォンやパソコンなどのデバイスから予約します。そのため、これらのデバイスを社員に支給している企業でないと、スムーズに導入できない恐れがあります。
座席が固定化されてしまう
毎日違う席を選んで予約することが面倒で、いつも同じ席を予約する人が出てくる可能性も考えられます。同じ席ばかりを利用する社員が増えると座席が固定化されてしまい、フリーアドレスのメリットが失われてしまいます。フリーアドレスでは業務の種類によってオフィスのエリアを分けることができるため、利用目的に沿ったエリアを選んでもらうなど、固定化を防ぐための工夫が必要になります。またホテリングツールの中にはランダムに座席を決める機能が搭載されているものもあるので、こうしたツールを選ぶことで固定化を防ぐこともできるでしょう。
ホテリング導入のポイント
ポイントを押さえて導入することで、ホテリングの効果を最大限発揮することができるようになります。
最大出社人数を視野に入れたオフィスレイアウトの検討
ホテリングを導入する多くの企業ではハイブリッドワークやフリーアドレスが採用されているでしょう。企業側が1日の最大出社人数を把握しないままにオフィスのレイアウトをしてしまうと、想定以上に多くの社員が出社することとなった場合、人が密集することになり、社員の安全管理がままならなくなってしまいます。現状のオフィスで1日の最大出社人数を把握し、それに合わせたオフィスレイアウトを検討する必要があるでしょう。また1日に出社できる最大の人数を決めるなどのルールを決めることも重要なポイントです。
ホテリングシステムの導入
ホテリングの運用にあたり、スペースの利用状況/予約状況を、Excelやオフィスの中にあるホワイトボードで管理したり、チャットツールで都度報告するといったアナログな運用もできないわけではありません。しかしアナログな運用ではリアルタイムな情報反映が追いつかなかったり、遠隔での予約が難しいなど、運用面での負荷が大きくなり、システムとして定着せず、効果を最大限発揮できない可能性があります。
ホテリングシステムを社内に浸透させ、その効果を最大限発揮するためには、
・ オフィスや自宅、外出先からでも予約できる
・ リアルタイムの予約情報が可視化される
・ 予約状況や利用実績をデータとして蓄積できる
といった機能を兼ね備えたツールの導入が不可欠です。
また実際に使用する社員がしっかり運用できるよう、操作性が高く、誰でもすぐに使えることや、企業側が管理しやすい点も導入システムを選ぶ上での重要なポイントとなります。
定期的な改善
ホテリングを導入してしばらくしてから問題が浮き彫りになることもあるでしょう。どのスペースを使用しても働きやすいようにレイアウトしたつもりでも、業務がしやすい場所とそうでない場所が生まれてしまう可能性はゼロではありません。場合によっては特定のスペースに人気が集中し、利用状況に偏りが生まれてしまうこともあるでしょう。「使用したいのにいつも予約が埋まっている」といった状況に陥れば、業務がスムーズに進まない、あるいは出社に抵抗を感じるようになる、といったデメリットが生まれる可能性もあるでしょう。
社員にとって働きやすい環境を整えるためには、予約や利用状況に偏りがないかチェックし、必要に応じてレイアウトの見直しを行うことが必要です。データを元にした定期的な改善を加えることで、オフィスの有効活用ができるようになります。
Beacapp Hereで叶えるホテリング
屋内位置情報サービスとしてオフィスへの導入企業No.1を誇る“Beacapp Here”では、オフィスのあらゆるスペースを予約できる“ホテリング機能”を無償オプションとして用意しています。Beacapp Hereユーザーであれば希望すれば追加料金なく利用することができるので、フリーアドレスの座席管理や出社管理にお困りの企業様であれば、ぜひご活用いただきたい機能です。
*Beacapp Hereの“ホテリング機能”について詳しくはこちら
https://jp.beacapp-here.com/hotelling/
Beacapp Hereのホテリング機能は、スマホアプリでもブラウザでも簡単に利用できます。外出先や自宅からも予約ができ、「通勤途中に電車の中で」「休憩時間にカフェから」など場所を選ばずにオフィスのホテリングができるのが大変魅力的です。予約したスペースを利用する際のチェックイン判定はビーコンの検知で自動的に行われるため、ユーザー側で何かを登録するなどの手間はかからず、利用されていない場合はこれもビーコン未検知から判定し、一定時間が経過すると自動で予約キャンセルされるためスペースの空予約を防ぎます。
<Beacapp Here ホテリング機能画面>
ユーザー画面では誰が、いつ、どのスペースを予約しているのかを閲覧することができるため、出社予定者が多い場合は出社を控えたり、相談したいと思っていた対象の人物の出社予定があれば自分も出社しようなどと、ワークプレイスを選ぶための参考として活用することができます。管理画面では社員が登録している予約状況が一覧で確認できるため、出社予約が固まっている日があれば事前に調整することもできます。さらに過去の予約については実際に使用されたのか、使用されなかったのかという利用実績まで確認ができるため、オフィス改善を行う際の定量的なデータとして役立てることができます。
*ホテリング機能を活用した導入事例はこちら
https://jp.beacapp-here.com/case/nissinfoods-holdings/
まとめ
ハイブリッドワークやフリーアドレスが普及する中で、オフィスの稼働状況や社員の出社状況が見えづらくなってしまいがちです。ホテリングシステムを活用することで、これらの情報を可視化し、オフィスの有効活用やスムーズでストレスの少ない業務遂行をサポートできるでしょう。
ビーキャップでは、リアルタイムな所在地可視化に加えて、ホテリング機能の利用ができます。 Beacapp Hereで叶える運用負荷の少ないホテリング運用にご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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