ハイブリッドワークなどの新しい働き方が広がりをみせる中、フリーアドレスやABW(Activity Based Working) の動きを取り入れたオフィスづくりに取り組む企業が増えています。しかし一方で、オフィス内で「誰がどこにいるのかわからない」「座席を探すのに時間がかかる」といった課題もあります。そのような課題を解消し、満足のいくオフィス運用をするためには座席管理システムの利用がおすすめです。
本記事では座席管理システムの導入メリットやツール選びのポイント、導入事例をご紹介します。
座席管理システムとは
座席管理システムとは、座席の使用状況や社員の所在地を見える化するシステムのことを指します。座席管理システムの導入により「誰がどの座席を使っているのか」「今の空席状況」などを瞬時に把握することができるため、座席管理の効率化だけでなく業務効率向上、社員間のコミュニケーション促進などに影響を与えることが期待されます。
アナログな座席管理はNG
座席管理を行うことで自由度の高い働き方やオフィスを採用している中でも、円滑に業務を遂行できるようになりますが、注意しなければならないのは、管理のために余計な作業が増えてしまうことです。
座席管理を進める企業の中には、紙面やExcelなどの人的な作業によって管理しようとする企業もあります。しかしそうすると座席を使用する際には更新する必要があったり、座席の使用状況を確認するためにいちいちExcelを開かなければならないなどの余計な手間が生じてしまうのです。また人による手作業の更新となると一時的な離席や情報のアップデートが追いつかず、根本的に管理ができていない状況に陥ってしまうことも考えられます。
座席管理にはアナログな方式ではなく、ITツールを活用することをおすすめです。
座席管理システムのメリット
座席管理システムを導入することで、座席の使用状況を可視化するだけでなく、出社状況の把握やオフィス・施設の稼働状況の可視化などを行うことができます。また取得したデータを分析することで、今の働き方にあった最適なオフィスづくりに取り組み、より働きやすい環境を生み出すこともできるでしょう。
人を探す時間の軽減
フリーアドレスのオフィスではその日の業務内容や気分によって働く場所を選ぶことができるため、偶発的なコミュニケーションを生み出し、他部門との交流を深めるきっかけとなることが期待できます。その一方で、コミュニケーションを取りたいと思っている対象の人物がオフィス内のどこにいるのかがわからず、コミュニケーションをとる際にオフィス内を動き回って探す、またチャットや電話で連絡をとるなどの手間が生じてしまう恐れがあるのです。
座席管理ツールを使用することで、その座席を今、誰が使っているのかをシステム上で確認することができるようになります。特定の人物が今どこにいるのかを遠隔でも把握できることで、「人を探す」という手間と時間を削減することができるようになるのです。
また、フリーアドレスのオフィスではエリアごとにコミュニケーションエリア、集中エリア、リラックススペースなど特性を分けて設置しているケースが多いです。たとえば、探している人物が集中エリアの座席を使用していたら話しかけに行くことや電話は避けてチャットをしておくなど、そのエリアの特性からコミュニケーションの方法を検討できることもメリットのひとつといえるでしょう。
出社状況の見える化
フリーアドレスを採用している企業では、合わせてハイブリッドワークやフレックスタイム制度を導入しているケースが多いでしょう。これらの働き方は社員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができるという面で大きなメリットがありますが、反対に社員の出社状況がわかりづらくなってしまうという課題があります。出社状況がわかりづらくなってしまうと、社員にとってはチームの業務状況が見えづらくなり、評価やマネジメントがしづらくなるといったデメリットがあり、企業にとっては勤怠管理の複雑化や実働時間の把握の難しさが懸念されるでしょう。
座席管理ツールの導入により可視化されるオフィスの座席使用状況は、つまり、その座席を使用している社員が出社をしている状況と捉えることができます。社員ごとの正確な出社状況を把握することで、複雑化する勤怠管理のサポートをすることができるでしょう。また同僚や部下の出社状況を把握することで勤務場所に合わせてフレキシブルに業務分担を行うなうことができ、必要に応じて対面でのコミュニケーション機会を自ら創出できるなどの面で、より働きやすさを感じることができるようになるでしょう。
オフィス利用の促進
座席管理ツールの使用で蓄積されたデータを分析することで、座席やスペース毎の利用状況が可視化できるようになります。このデータに基づいてオフィスのレイアウト変更を検討することで、より社員の働き方にあった、働きやすいオフィスづくりを行うことができるようになります。
またオフィスの利用状況は、社員の出社状況とも考えることができますが、出社状況から出社率を管理することができます。コロナ禍の出社制限から意識されることが多くなった「出社率」ですが、企業ごとに推奨出社率を定められているケースが増加しています。現状の出社率が企業として定められている推奨出社率に対してどのように推移しているのかを確認するために、座席管理ツールで取得できる出社状況のデータは非常に有効的ということができるでしょう。
座席管理システムの主な機能
多くの座席管理システムでは座席予約の機能を搭載しており、その他にもフリーアドレスのオフィスをより便利に使うことができるような様々な機能が備わっています。ここでは一般的な座席管理システムの機能を紹介します。
ホテリング(座席やスペースの予約)
ホテリングとは、座席や会議室などを予約する機能です。システムによってはスマートフォンやタブレット上でアプリを使用し、自宅や外出先からでも予約ができるものもあり、出社後のスムーズな業務開始をサポートします。
チェックイン
座席の使用開始と終了を管理できる機能です。座席を使用する社員が座席上の装置に指定のカードをタッチする、QRコードを読み込むなどの操作によって利用開始の登録をするものが多くありますが、社員の運用負荷を軽減するため、ビーコン検知により自動でチェックイン判定がされるようなシステムもあります。
また予約の時間を過ぎても利用開始されない場合は自動でキャンセルするなど、空予約を防いでよりオフィスを有効活用できるような機能が搭載されている場合もあります。
ユーザー検索・ステータス把握
社員がどこにいるのかを検索する機能です。システムのオフィスレイアウト図に名前やアイコンが表示されており、視覚的に居場所を把握できるようになっているものが多くあります。さらに社員名による直接検索機能や所属部署で絞り込んで表示をさせるなどの機能を搭載してより社員の居場所を把握しやすくしているものや、在宅勤務中や外出中などのステータスをわかるようにしているシステムもあります。
在席状況の確認
座席やスペースの空席状況や、社員の使用状況をリアルタイムで可視化する機能です。オフィスの利用状況をすぐに確認できることで、急なミーティングの際にもスペースの確保がしやすくなります。また座席の使用状況や利用時間をログとして保管できるシステムもあり、そうしたログデータを分析することで、人気のエリアや座席、社員が必要としているスペース、またその数を知ることができ、オフィスのレイアウト変更の際の参考とすることができるようになるのです。
座席管理システムを選ぶポイント
座席管理システムはサービスによって搭載されている機能が様々です。ここでは自社にあったシステムを導入するための大きなポイントを解説します。
ユーザー目線で使いやすさが考慮されたシステムであるか
座席管理システムは社員によって利用されるものなので、社員の中に定着しない、利用率が低いというような状況では期待する効果を得ることができません。社員の中に定着させ、しっかり使ってもらうためには、いかに社員の手間を削減できるかが重要です。特に予約した座席の使用時に必要なチェックイン作業は手間と捉えられてしまうことが多いため、いかに自動化できるかがポイントでしょう。
座席管理システムの中にはトライアルプランを用意しているものが多くあるため、トライアルプランを活用して導入効果を検証してみるのもおすすめです。導入し始めの頃は導入対応や運用の呼びかけなどに時間を取られてしまい、なかなか効果を感じにくくなってしまいます。そのため、社員にとって本当に使いやすいシステムであるかどうかを判断するためには、導入初期(1ヶ月)+検証期間(1ヶ月)の合計2ヶ月間を最低でもトライアル期間とするのがいいでしょう。
システムを導入する目的と機能が一致しているか
様々な機能が搭載されている座席管理システムですが、導入の目的とあっていない機能が多く備わっている、もしくは機能が足りないというものでは導入時の課題を解消することができません。座席管理システムの導入により実現したいことは何か、そのために必要な機能は何か、を導入検討段階で明確にしておく必要があります。
多くの機能が搭載されているシステムをみると、つい安心感を覚えてしまいがちですが、導入したものの使わない機能が多い、どの機能を使えばいいかわからないといった事態に陥りかねないため注意が必要です。システムを選ぶ際に大切なことは機能の多さではなく、導入する目的・課題解決を叶えられる機能がしっかり備わっているかどうかです。
他システムとの連携はできるか
座席管理システムを活用した業務効率化を図るためには、外部システムとの連携ができるシステムの導入がおすすめです。中でもGoogleカレンダーやOutlook予定表などのスケジュールシステムといった通常業務で使用するシステムと連携できることで、より業務効率の向上を図りやすく、社員としても働きやすさを実感しやすくなります。
サポートの体制が充実しているか
システムの運用を開始すると予期せぬトラブルが起きたり、思わぬ場面でつまづいたりすることがあります。そんな時にはシステム運営者によるサポートも必要になってきます。トラブル発生時、すぐに担当者と連絡をとることができ、解決に当たってくれる万全のサポート体制が整っているかどうかを確認しておくといいでしょう。
座席管理にはBeacapp Hereがおすすめ
座席管理におすすめのツール「Beacapp Here」をご紹介します。
Beacapp Hereとは
Beacapp Hereは、ビーコンとスマートフォンを連動させてオフィスや病院、工場などの施設内での位置情報を測位する屋内位置情報サービスです。Beacapp Hereアプリをインストールしたスマートフォンを持ち歩き、施設内にはビーコンを設置するだけで簡単に導入することができます。
サービスのコンセプトとして「使いやすさ」を大切にしているため、ユーザーにとって使いやすい機能だけを用意し、マニュアルを見なくても直感的に操作できる画面設計がされていることが特徴です。
Beacapp Hereのホテリング機能
Beacapp Hereでは2022年4月よりホテリング機能の提供を開始し、2023年には機能強化を実施した上で、無償のオプション機能としてホテリング機能が利用できるようになっています。そんなBeacapp Hereのホテリング機能の特徴をご紹介します。
<Beacapp Hereホテリング画面>
スマホやブラウザからいつでもどこでも予約可能
スマートフォンにインストールしたアプリやブラウザからBeacapp Hereにログインすることができ、自宅や外出先、通勤中の電車の中でもスペースの予約をすることが可能です。予約は日時とスペースを指定する他、システムに登録されているオフィスMapからスペースを選択する2パターンから行うことができます。
オフィスMap上ではリアルタイムな満空状態(スペースの利用状況)がアイコンでわかりやすく表示されているため、すぐにスペースを利用したい時に便利です。万が一使いたい座席が使用中の場合は予約状況を確認することができ、予約が空いている時間を把握することができます。
ビーコン検知による自動チェックイン機能で運用負荷軽減
スペースに設置されたビーコンの電波を社員が持ち歩くスマートフォンが受信することで、自動でチェックインの判定をします。スペース利用時にQRコードの読み取りやシステム上で何かを手動操作する必要がないため、社員の運用負荷を軽減させることができます。また、予約時間を過ぎてもチェックインされない場合は自動で予約キャンセルされるため、スペースの空予約を防ぎ、オフィス利用の促進をサポートします。
スケジュールシステムとの連携
2023年の機能アップデートで「Googleカレンダー」と「Outlook予定表」との連携が可能となりました。Beacapp Hereで登録したホテリング情報が自動でスケージュールシステムに連携され、スケジュールシステム上からでも予約したスペースの確認をとることができます。複数のシステムを行き来することがなく、シームレスな運用が可能となります。
管理者画面からスペース利用の予実管理ができる
管理者用のBeacapp Here画面から、スペース利用の予約と利用状況を確認することができます。予約だけでなく実績を合わせて管理できることで、よりリアルなスペース稼働状況を把握することができ、オフィス移転やレイアウト変更の際に役立てることができます。
2ヶ月間のトライアルプラン
Beacapp Hereでは最大2ヶ月間のトライアルプランが用意されています。2ヶ月という期間をかけることで、サービスが自社にあっているか、社員に使いやすいものであるかをしっかり検討することができるでしょう。トライアル期間は導入企業の希望に合わせて1ヶ月に短縮することも可能で、トライアル導入時から専任のカスタマーサクセスチームが運用のサポートをします。
▼ Beacapp Hereホテリング機能について詳しくはこちら
https://jp.beacapp-here.com/hotelling/
Beacapp Here導入の成功事例
Beacapp Hereはリアルタイムで人の所在地を把握することができるため、フリーアドレスのオフィスで生じやすい「誰がどこにいるかわからない」という課題を解決するために導入する企業が多くなっています。その中で座席管理を行いオフィスのレイアウトを成功させた企業や、出社率管理システムとしての活用を成功させた企業があります。
▼ スペースの稼働実績を元にレイアウト変更を成功させた事例
https://jp.beacapp-here.com/case/mitsuifudosan/
▼ 出社率管理の手間を削減し効率化を成功させた事例
https://jp.beacapp-here.com/case/nissinfoods-holdings/
まとめ
フリーアドレスのオフィスでは座席管理システムを導入して、そのメリットを最大限発揮できるようにしましょう。座席管理システムはユーザーとなる社員の運用負荷を軽減し、運用を定着させてこそ導入の効果を感じることができます。自社の導入目的にあっているか、社員にとって使いやすいシステムであるかを確認するために、トライアルプランの活用もおすすめです。
座席管理システムの導入で、フリーアドレスオフィスの利用を促進させましょう!!
▶︎株式会社ビーキャップ
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