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2022/10/21

医療現場へのスマートフォンの導入|ITサービスの運用で生まれる連絡ツールの枠を超えた導入効果

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医療 スマートデバイス

一般的な連絡ツールが「携帯電話」から「スマートフォン」になったように、医療現場でも「スマートフォン」や「タブレット」などのスマートデバイスの活用が多く見られるようになりました。連絡ツール以上の活用ができるスマートデバイスの活用場面やその効果をご紹介します。

医療現場連絡ツールの変遷

医療 PHS

PHSは携帯電話と比べて電磁波が非常に弱く、人体や医療機器に与える影響が少ないということで、医療機関における医師や看護師の連絡ツールとして多く採用されていました。しかし連絡手段としてしか運用できないPHSにはデメリットも多くあり、その中で一般向けサービスが2020年7月に廃止されたことも踏まえて、医療現場では連絡手段の移り変わりが起こっています。

PHSのデメリット

PHSはあくまでも「電話端末」であるということが、今や大きなデメリットとなっています。またこの「電話」ですが、基本的には「内線」にしか対応していないため、外線をかけたい場合にはナースステーションまで戻ったり、外線用の端末を持ち歩く必要があり、業務上の大きな手間となっているといってもいいでしょう。

入院患者にとっては命綱とも言える「ナースコール」を、PHSでキャッチできるようにしてあるケースが増えています。しかしここにも懸念点があり、何台ものPHSが同時にナースコールをキャッチできるわけではなく、時間差が生じてしまうということです。ナースコール用のPHSはナースコールにのみ対応しているので、このナースコールを受けて、例えば医師や他の看護師に連絡を取りたい時は先述したように、外線ができる環境に移動する必要があります。これではスムーズな業務の遂行ができない場面も出てくることでしょう。

また医療現場では伝えられる情報が正確であることも求められます。正確な情報を伝えるためには電話で聞く音声だけでなく、画像や文書もあった方がいい場面もあるかと思います。そうしたことにも対応できないのが、PHSのデメリットと言えるでしょう。

スマートフォンの普及

PHSに変わる新たな連絡手段として取り入れられているのが「スマートフォン」です。スマートフォンが一般的に普及し始めた頃はまだまだ電磁波の面でPHSに劣り、医療機関では安全性を考慮した上でPHSを採用していました、しかし近年ではスマートフォンの性能も上がり、電磁波の影響が少なくなったことで、安全性の確保ができるようになりました。

スマートフォンを導入することで、電話に限らずさまざまなことができるようになります。写真を見せることもできますし、チャットをすることもできます。またPHSでは内線しかできませんでしたが、もちろん外線もできます。スマートフォン導入は、あらゆる角度から、医療現場の業務をスムーズにすることができるでしょう。

医療現場でスマートデバイスを導入するメリット

スマートフォンに限らず、タブレットの導入も大きなメリットをもたらします。

これらのスマートデバイス導入で得られるメリットを、大きく分けて3つご紹介しましょう。

医師 連絡

業務効率の向上

スマートデバイスを持ち歩くことで、今まで限られた場所でしかできなかった作業がどこでもできるようになります。

多くの入院患者を受け持つ病棟勤務の看護師は、毎日定刻に患者の病室を訪れ、健康状態を観察・記録します。患者ごとに記録するシートを分け、手書きで記録し、ナースステーションにもどりカルテに入力します。患者分の記録シートを持ち歩くのは大変ですし、ナースステーションに戻ってから改めて記録し直すのも手間です。

患者の症状や状態を記録するカルテですが、医療現場のIT化に伴って電子カルテの普及が進んでいます。パソコンでの入力が基本となっていましたが、スマートデバイスと電子カルテを紐づけておくことで、入院している患者のベッドサイドで電子カルテの入力ができるようになりました。いままでナースステーションに戻ってから行っていた作業が病室で完結でき、そのまま次の患者に移動することもできるのでとても効率的です。

コミュニケーションの円滑化

とくにスマートフォンを導入することで得られることといえば「コミュニケーションの円滑化」でしょう。

救急医療の現場ではとくに迅速で、的確な対応が求められます。通常患者が救急搬送された場合は、初期対応を行う救急部門が救急隊からの情報を基に関係部門に連絡をしていきます。しかしこの時点では正しい病名がはっきりしないため、確認のために連絡を取る部門は多岐に渡り、多い時は総勢約20名以上のスタッフと連絡を取る場合もあります。煩わしさはもちろんですが、連絡にかかる時間の長さから治療が後手に回ってしまうこともあり、とくに規模の大きい大学病院ほど治療までの時間を必要としてしまうのです。

スマートフォンでは「電話」の他に、「チャット」を利用することもできるので、複数の人物が同時に同じ情報を情報を受け取ることができます。また音声だけでなく画像の送信や動画、ビデオ通話もできるので、より正確な情報を伝えやすくなるでしょう。

例えば今まで、20人に連絡を取るために20分かかっていたとしたら、スマートフォンを導入することでチャットに文書を送る1分で情報共有が完了するようになります。コミュニケーション活動が円滑に行えるようになることで、専門的な知識を要する医療という現場の業務が、スムーズに行えるようになることは間違い無いでしょう。

業務幅の拡大に影響

先述したふたつのメリットが生み出すメリットともいえますが、手間や時間の削減ができることにより、業務の幅が広がることが期待できるでしょう。

情報共有が円滑にできることで、治療が後手に回らずに的確な処置ができるようになったり、ナースステーションでのカルテの入力がなくなることでその分患者と接する時間が増え、患者の健康状態の少しの変化に気がつくことができるようになるかもしれません。

また医療業界では、人材不足による医療従事者への負担増が問題視されています。現在の業務が円滑化、効率化されることで、従事者の負担が少しでも改善されることが期待できるでしょう。

医療機関向けITサービス

スマートフォンやタブレットの導入で大きな効果を求めるためには、さまざまなITサービスを取り入れていく必要があります。専門性の高い医療機関に向けて、あらゆるサービスが配信されています。

医療DX

 

ナースコールとの連携

ナースコールでの着信をスマホで受けることができるようになります。PHS同様の機能かと思われてしまうかもしれませんが、PHSと比較して着信時間が10秒以上も早くなったり、また複数の端末で同時に着信が受けられるなど、PHS運用時以上の効果が期待できます。

またサービスによっては患者からの依頼内容を登録できる、ナースコールの履歴を管理できる、診察情報の閲覧ができるものもあります。運用するサービスの選び方次第で、運用の幅が大きく広がるでしょう。

電子カルテの入力と閲覧

業務効率の向上として高い効果を発揮する電子カルテですが、今まではパソコンでの入力が基本でした。これがスマートフォンやタブレットと連携することによって、全ての患者のカルテを持ち歩くことができるようになります。

時間と場所を制限せずに入力、閲覧ができるようになり、さらに複数の人物が患者に対して共通の情報を保有することにも繋がります。

Web問診の入力と電子カルテへの反映

病院は診察にかかる時間よりも待合室で待っている時間の方が長い、というイメージを払拭させたのが「Web予約」システムです。来院前にWebで予約しておくことで、病院内での待ち時間を少なくし、患者への負担を減らすことに成功しました。

また最近増えているのが「Web問診」です。通常では来院してから紙の問診票を記載して診察を受けますが、Web予約をした時点で問診票を入力します。それによってさらに院内での時間を削減できることになります。さらにWeb問診と電子カルテを連携して問診票の情報がカルテに自動反映されるようにすることで、問診の情報を改めて入力する必要がなく、診察をスムーズに行えるようになるでしょう。

チャットによる情報伝達の迅速化

医療現場ではチームで患者を診ていくので、情報伝達が重要です。PHSによる電話やメールでは、1対1でしかコミュニケーションが取れないため、同じ内容を複数の人物に説明することもあり煩わしさがありましたが、チャットツールを利用することで複数の人物と同時にコミュニケーションを取ることができるようになります。

スピーディーな情報伝達ができることに加え、画像や動画を送ったり、ビデオ通話もできることで、より正確な情報を共有できるようになるでしょう。

屋内位置情報把握による時間の削減と労務管理のサポート

とくに広い大学病院のような医療機関だと、特定の医師や看護師を探すのも一苦労です。過重労働が問題視される医療の現場で「人を探す」という無駄な時間を削減することに、「病院内の位置情報の把握」ツールを役立てることができるでしょう。また位置情報を把握することで時間の削減だけでなく、スタッフ同志の直接的なコミュニケーションを生み出すきっかけにもなります。

加えて医療従事者の勤務形態はシフト制で、夜勤や当直などもあり、また休暇日や就業時間であっても患者の容態や院内の状況によっては超過勤務が生じてしまう可能性が高くなります。さらに忙しさのあまり勤怠システムの入力が漏れていることもあるなど、労務管理がしづらい状況があることがわかっています。

病院向け屋内位置情報サービスである「Beacapp Here Hospital」では、病院への在院時間を記録することができます。この記録をもとに勤怠や労務管理のサポートを行うことができ、医療従事者の過度な労働がないように役立てられるでしょう。

*Beacapp Here Hospitalについて、詳しくはこちらをご覧ください*

医療現場向けーBeacapp Here Hospitalー

BeacappHere Hospital|医療機関向け屋内位置情報サービスの紹介と導入効果の解説

まとめ

急を要する場面も多い医療現場では、1分1秒が命取りとなることもあり、患者と看護師、患者と医師、医師と看護師におけるコミュニケーションが円滑に行えることは大切なことです。

医療機関での連絡ツールとしてPHSに変わり、スマートフォンを取り入れる機関も増えてきていますが、まだほとんどの医療機関が導入しているとは言えません。スマートフォン導入による効果は、「連絡」だけでなく多岐に渡ります。この導入効果を多くの医療機関が認識して導入に取り組み、医療業界のDX化が進むことで、医療環境の向上や医療従事者の労働環境の改善まで影響を与えることができるでしょう。


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