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2023/03/10

業務時間内の位置情報把握はプライバシーの侵害?位置情報取得を適法で行うためのポイントと社員への対応について解説

社員の位置情報を把握して、業務改善や効率化を行おうとする動きがあります。しかし一方で心配されるのは「社員の位置情報取得」がプライバシーの侵害や個人情報の観点から違法とならないのかということです。

結論からいいますと、業務時間内における社員の位置情報取得は違法ではありません。ですが違法とならないために、また社員の方に受け入れてもらうためにもいくつか注意点があります。今回はその注意点をふまえた上で、社員の位置情報を取得・活用するメリットをお伝えします!

社員の位置情報を取得するのは違法?

スマートフォンやカーナビにはGPS機能が搭載されています。また最近では屋内での位置情報を取得する技術も発達しており、業務効率や業務改善の面で高い期待を寄せられています。これらのシステムを活用して社員の位置情報を取得することは基本的には「適法」と考えられています。

参考:企業の労働問題解決ナビ

「GPSで社員の位置情報を取得することは違法なプライバシー侵害か」https://roudou-kigyou.com/gps-privacy/

適法とするには時間・目的・様態と言う3つの観点からなる条件を満たす必要があります。これを無視してしまうとプライバシーの侵害など違法となる恐れがありますので注意しましょう。

社員の位置情報取得を適法で行うためのポイント

適法

❶位置情報の取得を業務時間内に限定する

労働基準法では社員の労働時間について、「1日に8時間、1週間に40時間を超えて働かせてはいけない」と規定されています。また労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。これに違反すると会社に罰則が与えられますので、会社としては正確な労働時間を把握して、「社員にいま何時間働かせているのか」「休憩時間はしっかり取れているのか」などの勤務状況を知っておく必要があります。

加えて社員には業務時間中の「職務専念義務」があるため、勤務実態を把握するために業務時間内の位置情報を取得することは合理性のある方法と言えます。位置情報の取得は会社側だけでなく社員側にもメリットをもたらします。例えば外出の多い社員は直行直帰がしやすくなったり、過度な残業をしている場合は会社側がその実態をデータとして見ることができるようになりますので負担軽減のために働きかけることが可能となるでしょう。

このように業務時間中の位置情報の把握は会社と社員の双方にメリットが生じるため合理性があるといえますが、一方で業務時間外のプライベートな時間の位置情報把握は合理性があるとは考えづらいです。それ以上にプライバシーの侵害であったり、ハラスメントとなりかねないため違法と判断される可能性があります。

社員の位置情報データを取得・把握する場合は、業務時間内のみに限るようにし、業務時間外の位置情報取得が行われることのないように注意しましょう。

❷労務管理を目的とする

取得した社員の位置情報は労務管理を目的として活用するようにし、また目的を明確にすることでそのほかの用途で使用しないようにルールづけをしましょう。業務時間内であったとしても、例えば社内でトイレを使用している時間を把握するといった業務に関係のない使い方では違法性を問われる恐れがあります。こうした客観的にみてパワハラやセクハラなどの問題を疑われるような使用をしている場合は、プライバシーの侵害に該当する恐れがあるためです。

業務時間内の社員の位置情報データは、打刻漏れ時の出退勤時間の確認や休憩時間がきちんととれているかなどの実勤務時間を把握することや、業務改善などの労務管理のために活用するようにしましょう。

❸プライバシー侵害の様態でないこと

業務時間外の社員の位置情報を元にプライベートに立ち入るような会話をしたり、ハラスメント行為を行うことはもちろんプライバシーの侵害にあたります。​​また業務時間内であったとしても、タバコ休憩やオフィス内でのトイレの時間、更衣室への滞在時間などまで細かく監視して指摘することは、ハラスメントと捉えられ、プライバシーの侵害だとされる可能性が高いでしょう。

これらの条件にそぐわない運用をしないよう注意をしながら、位置情報を活用していきましょう。

位置情報取得のメリット

社員の位置情報を取得したあと、どのように活用することができるのでしょうか。位置情報活用のメリットについてご紹介します。

嬉しい人

勤務実態の把握

現在の企業における勤怠管理は社員による自己申告型のものが多いですが、自己申告に頼り切った勤怠管理では簡単に不正を行うことができ、その不正を見抜くことがとても困難となります。例えば労働基準法の定める労働時間を超過しての残業を行っている場合、会社からチェックされないように早めに退勤処理をして業務を継続する、といったことが簡単にできてしまうのです。この時に客観的なデータである位置情報と照合することでその不一致な状況を確認することができます。オフィスにいた実際の時間と退勤時間を照合することで管理部門の方からそのちぐはぐな状況を把握でき、適切な勤怠管理を行うことができるようになります。また過度な残業が続いているようであれば業務量の見直しなど、社員の負担を軽減させるように働きかけることもできるようになるのです。

社内コミュニケーションの活性化

働く場所を自由に選ぶことのできるハイブリッドワークやフリーアドレス型のオフィスの普及によって働き方改革が進んでいますが、一方で社内コミュニケーションの希薄化が課題視されています。チャットやWeb会議などのツールも活用されていますが、そうしたツールを運用する中で対面でのコミュニケーションの重要性が改めて認識されているのです。

社員の位置情報をリアルタイムに取得し、それを社員同士がお互いに見えるようにすることで対面でのコミュニケーションのきっかけを生み出すことができます。

「聞きたいことがあるけれどわざわざチャットするほどではない…オフィスに××さんがいるみたいだから自分も出社して聞いてみよう」

「△△さんは今応接室にいるみたいだから来客対応中かもしれない。電話をするのはやめよう」

位置情報を社員同士が把握することでこのように対面でのコミュニケーションのきっかけを生み出すことや小さな配慮ができ、次のコミュニケーションに繋げやすくなるのです。

緊急時の対応

災害などの有事の際は社員の身の安全が優先されますが、特にハイブリッドワークで誰が出社しているかわからない状況であったり、フリーアドレスでどこにいるのかわからない状況であればその確認を取ることも困難です。位置情報を使って「逃げ遅れている人がいないか」「逃げ遅れている人はどこにいるのか」を迅速に知ることができ、救助隊への対応要請を的確に行うことができます。さらに感染症対策として、濃厚接触者の割り出しなどに取得した位置情報のログを活用することもできます。

位置情報取得のデメリット

位置情報の取得はメリットもありますが、一方でデメリットもあります。
社員の位置情報を活用していく際は以下の点に注意しましょう。

落ち込む人

社員の反発を招く恐れがある

社員の位置情報を過剰に確認することは「ロケーションハラスメント」に該当するという意見もあります。「ロケーションハラスメント」とは、スマートフォンなどの位置情報を不当に利用して特定の人物の居場所や行動を常に把握し、プライバシーを犯す行為です。

業務時間内のトイレの利用時間、更衣室の滞在時間など社内においてもプライベートな時間として考えられる場所やシチュエーションはいくつもあります。確かにこのような業務とは直接関係のない、若干プライベートとも取れるような場所まで管理をされると、社員は息苦しさを感じてしまうでしょう。また位置情報を用いた必要以上の監視は、社員に不快感を与えますので注意が必要です。

業務時間内の位置情報の管理・把握は違法性のない利用であっても、息苦しさや不快感を感じるとそれがだんだん反発や反対の声となってきます。またこうしたマイナスな感情を抱えている状況では、仕事へのモチベーションの低下に繋がりかねません。四六時中会社に監視されているという思いが会社から信用されていないのではないかという思いとなり、会社への不信感から仕事へのモチベーションが低下してしまう恐れがあるのです。

社員の位置情報取得には、社員の協力が必要不可欠です。社員に協力してもらえる体制を作り出すためにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。

社員の反発を防ぐためのポイント

目的を明確にし、社員に周知する

「何のためなのかその目的も使い方もわからない。けれど位置情報を会社が取得している」となると社員は不安に思うでしょう。この状態では「監視される」という意識が強くなってしまうため、反発が起こりやすくなります。位置情報取得の目的を明確に定め、周知することで社員の理解を深め、協力してもらえるような体制作りを目指しましょう。

また周知の際には、業務時間内の位置情報の取得が適法である旨も合わせて伝えるようにすると反発が起こりにくくなるためおすすめです。

必要以上の監視は避ける

管理される社員の立場に立ってみると、やはり四六時中位置情報を管理される状況というのはどこか息苦しさややりにくさが残ります。業務時間中の不必要な外出や、業務時間をはるかに超えてのオフィス利用を指摘することは、位置情報把握の正当な目的といえます。しかし日頃の業務時間内のちょっとした行動にも細かく指摘をされていたら、管理下に置かれている社員はより不快感を募らせてしまいます。

タバコ休憩や給湯室でのちょっとした雑談など、位置情報やその場所への滞在時間がデータとして可視化されてしまうと今まで見えていなかったものが見えるようになってしまいます。これについて逐一指摘をしていると、プライバシーを犯されているように感じる恐れがあり不信感を募らせる恐れがあります。必要以上の監視は避け、あまりにも目に余るようであれば注意を促すようにしましょう。

まとめ

業務時間内における位置情報の取得は適法であり、勤務実態の管理や社内コミュニケーションの活性化、緊急時の対応にも活用するなど活用方法はさまざまです。業務改善のために役立てたい業務中の社員の位置情報ですが、適法と見なされる条件が3つと社員に受け入れてもらうためのポイントが2つあります。

それぞれに注意しながら位置情報を取り入れ、業務改善を進めていきましょう!

ビーキャップでは「ビーコンとスマートフォンを使ってあらゆる現場を可視化する」ことをミッションに掲げ、社員の位置情報や座席の使用・予約状況の可視化をお手伝いさせていただいています。適法で行えるよう3つの観点にも配慮されたシステムですので、ご興味がございましたらぜひお問合せください!


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