社員一人ひとりが自由に働く場所を選ぶ新しい働き方では、社内コミュニケーションの希薄化が問題とされています。本記事では、社内コミュニケーションの重要性と新しい働き方に適したコミュニケーションの方法について解説していきます。
社内コミュニケーションの重要性
社内コミュニケーションとは、社内で日常的に行われている会話や情報交換などのことです。業務上のやり取りはもちろん、業務には関係ないような何気ない雑談も、大切な社内コミュニケーションのひとつです。
社内コミュニケーションが活性化することで、業務効率が向上したり、社員のモチベーションが向上する、アイデアやイノベーションが創出されるなどの様々なメリットがあります。また仕事上の相談がしやすくなったり、他の社員の変化に気づきやすくなり、手助けをすることができるなど、社員同士がお互いを支え会う環境を作ることができます。
このような社員が安心して働くことのできる環境は社員満足度の向上に繋がり、昨今注目される「ウェルビーイング経営」の思想と酷似します。ウェルビーイング経営は企業の継続的な成長にも働きかけることができますが、その実現のためには円滑な社内コミュニケーションへの取り組みを欠かすことができないのです。
▶︎社員満足度を向上させる「ウェルビーイング経営」については詳しくはこちら
社員満足度を向上して企業の成長を目指す!ウェルビーイング経営がもたらす効果と推進のポイントを解説
コミュニケーション不足がもたらす不利益
コミュニケーションが不足する企業では、報告・連絡・相談といった、業務に関する情報共有がうまく行われない状況が生み出されてしまいます。ビジネスは情報が命と言われることもありますが、情報共有がしっかりとされていない中では、ミスが頻発したり、トラブル増加するなど、業務に支障をきたす恐れもあるので注意が必要です。またこうした状況が影響して顧客からの信頼を喪失し、新たなビジネスチャンスを逃す恐れもあります。そうなっては企業として大きな損失となります。
またコミュニケーションが不足する中では社員同士での相談や質問がしづらく、良好な人間関係を築くことが困難になります。そのような環境下では社員自身のモチベーション維持や向上が難しく、また上司から学んで新しい業務に挑戦したり、同僚と協力して難しい業務を進めたりする機会が少なくなってしまうことから、一人ひとりのスキルアップも望めないでしょう。
このようなコミュニケーション不足が招く「ミスやトラブルの頻発」「顧客からの信頼喪失」「モチベーションやスキルの低下」といった不利益は、『離職率の増加』や『生産性の低下』など、企業に大きなダメージをもたらす恐れがあります。コミュニケーション不足という状況を軽んじることなく、対策を講じるようにしましょう。
新しい働き方の中で最適なコミュニケーション方法とは
コミュニケーションの不足は企業に大きな不利益をもたらします。それでは、ハイブリッドワークやABWに代表される新しい働き方で求められる最適なコミュニケーション方法とは、一体どのようなものなのでしょうか。コミュニケーションの方法別に、それぞれのメリット・デメリットから考えていきましょう。
【コミュニケーション方法別】メリット&デメリット
対面
コミュニケーションの基本とも言える「リアルで顔を合わせて行うコミュニケーション」での最大のメリットは、相手との信頼関係が築きやすいことです。ちょっとした表情や声のトーンの変化、身振り手振りなどから、相手の気持ちや考えていることを組みとることができるので、相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーションが取れるようになります。またWebや電話では感じ取ることのできなかったニーズを探り当てたり、お互いのパーソナリティに対する理解が深まることも、対面コミュニケーションならではのメリットといえるでしょう。
一方でデメリットは、会うために場所を選び、そこまで移動するための時間を要するという点です。限られた時間の中で効率的に業務をこなす必要がある昨今のビジネスパーソンにとって、この移動時間を確保するのが一苦労ともいえます。対面におけるコミュニケーションでは説明の途中でも相手の様子をみて質問をしたり、意見交換をしやすいとされています。そのためディスカッション形式の打ち合わせや初顔合わせなどの相手の意見や感情を重視するような場面では対面でのコミュニケーション機会を設け、報告や情報共有などの会議ではWebを活用するなどの使いわけをすることがおすすめです。
Webミーティング
Web会議ツールを使用することで、離れた場所で働く社員とも顔を合わせてコミュニケーションをとることができます。Web会議やWebミーティング、Web打ち合わせなどという言葉は、コロナ禍でリモートワークが急速に普及したこともあり、我々の働き方の中に浸透していきました。Webミーティングではネットワーク環境とパソコンやスマートフォンなどの媒体があれば、居場所にかかわらず参加できることがメリットのひとつです。また電話と違い画面越しに顔を見ることができるので、表情や仕草から相手の反応を伺うことができ、画面共有機能を使用することで同じ資料をみながら進行していくことができます。
デメリットとしては、ネットワーク環境により音声や画像の質が低下したり、通信が遮断されてしまうことが挙げられます。また参加人数が増えていくと参加者一人ひとりの雰囲気や表情がわかりにくくなり、臨場感にも欠けてしまいます。参加者の立場によっては、場の雰囲気が掴みづらいために発言を控えてしまうことなどもあるため、思いついた意見を言い合うディスカッション形式の会議や新しいプロジェクトの打ち合わせ、また相手の感情を重んじるような場合には不向きといえます。反対にすでに進行済みのプロジェクトの進捗状況共有や報告会議などでは、web会議がおすすめできるでしょう。
電話
最も会話に近いコミュニケーション方法である電話は、込み入った内容や細かいニュアンスを伝えるのに適しています。離れた場所にいながらお互いにリアルタイムで話をすることができるため、相手から確実に返事が欲しい時や、至急確認したい案件について会話したい時に便利です。また口調や声のトーンから相手の感情や状況を感じ取ることができるため、テキストのみでのやり取りとなってしまうメールやチャットに比べて、相手との信頼関係を築き易いというメリットがあります。
一方で電話は、相手の時間を拘束してしまうことがデメリットといえます。相手の状況に配慮をせずに立て続けに電話をかけてしまうと言った行為は、信頼関係の消滅につながるので注意しましょう。また電話は基本的に一対一でのやり取りとなるため、複数の相手に同じ要件を伝えるときは不向きと言えるでしょう。
メール
ビジネスにおけるコミュニケーションとして一般化していると言っても過言でないほど、ビジネスの場面でメールは活用されています。相手の時間を拘束することなく要件を伝えることができ、資料ファイルの送信もできるので、より鮮明な情報伝達が可能です。また何よりメール上でやり取りを残すことで「言った、言わない」というトラブルを避けることができます。
広告メールも含めると、1日に十数通のメールが送られてきます。その中で万が一自分の送ったメールが見逃されてしまってたとしても、メールにはそれを確認する術がありません。メールを確認してもらえているか、また相手がメールを確認するタイミングがわからないというのは、メールにおけるコミュニケーションのデメリットの一つと言えるでしょう。必ず見て欲しいメールを送る場合は件名に工夫したり、送信後に改めて電話をするなどの配慮も必要です。また一度送ったメールは削除することができないため、誤字や内容に誤りがないか、添付ファイルを間違えていないかなど慎重に確認することが必要です。
チャット
場所や時間を問わず、またメールよりも気軽にコミュニケーションをとることができるのがチャットツールを活用したコミュニケーションのメリットです。チャットツールではプロジェクトやチーム単位でグループを作ることができるため、必要な情報を関係するメンバー全員にまとめて送ることができ、情報共有の漏れをなくすことができます。もちろんメッセージだけでなく資料の送付もでき、それを外出先方もスマートフォンなどで確認することができるため、スムーズな情報共有を促すことができるようになります。
一方でこの「いつでもどこでもコミュニケーションが取れる」というのは、デメリットにもなりかねないので注意が必要です。たとえば休日や退社後など、プライベートな時間でも連絡が取れる状態が生まれてしまいます。プライベートな時間が業務に関する情報に阻害されてしまうことで、精神的な疲労が蓄積する場合もあるため、社内での運用ルールを定めることが大切です。また情報量が多くなるため、情報の見落としがないように注意する、あるいは自分にとって必要な情報かどうかを見定めていくことも必要になります。
新しい働き方の中でのコミュニケーションのコツ
新しい働き方の最大のポイントは、社員一人ひとりが自分の業務内容、状況に合わせて働く場所や時間を自由に選ぶことができるということです。ということは、その日その時間で相手にとって最適なコミュニケーションの方法が変わるということです。そのため、新しい働き方におけるコミュニケーションのコツは、状況に応じてコミュニケーションの方法を選んでいくことであると考えることができます。
たとえば、今関わっている業務で手一杯の時に、上司や同僚から突然新しい仕事の指示や依頼をされたとしたらストレスに感じませんか?それも顔を合わせて直接頼まれるのでもなく、チャットで軽く指示されたとしたら、ますます不満を感じませんか?改めての説明となりますが、ハイブリッドワークやABW、フリーアドレスに代表される新しい働き方では、毎日同じ環境で顔を合わせて働いているわけではありません。そのため、相手のパーソナリティが掴みきれず、こうした小さなストレスや不満が生まれやすくなってしまいます。小さな不満は大きな不利益につながる可能性があるので注意しましょう。
相手の状況や伝えたい内容によってコミュニケーションの方法を変化させていくことが、新しい働き方におけるコミュニケーションのポイントです。
コミュニケーション × 位置情報
コミュニケーションの方法を選択するポイント
コミュニケーションの方法を選択するときのポイントは、次のふたつです。
1:相手の状況を知る
2:伝いたい内容を整理する
「2:伝えたい内容を整理する」についてはコミュニケーションの方法を考える自分サイドの問題となるため、問題を解消し易いと考えられます。たとえば、至急相手に確認したいものである時は電話が良いでしょうし、資料を見ながら状況を報告したい時はWeb会議が良いでしょうし、資料を見ながら説明し相手とディスカッションがしたいのであれば対面での打ち合わせの場を用意するのが良いでしょう。さらにいえばそのWeb会議や対面での打ち合わせの日程を調整するためには気軽に連絡が取れ、相手の既読状況がわかるチャットがおすすめできます。
問題は「1:相手の状況を知る」ということです。新しい働き方では相手がどこにいるのかわかりにくくなってしまうという問題があります。コミュニケーションの方法を考える時には、まずこの問題を解消することが必要です。相手がオフィスにいるのか、自宅にいるのか、外出しているのか、休暇中なのか、その日その時の位置情報を把握することで、コミュニケーションの方法を検討することができるようになります。
コミュニケーション対象の位置情報把握の方法
新しい働き方に取り組んでいくにあたり、社員がその日どこで働いているのかを管理する企業は多くありました。その管理方法はエクセルを使用したものや、チャットツールでの申告をルール化するといったものでしたが、「その日」は管理できても、「その時に」どこで働いているかといったリアルタイムな情報を得ることは難かしいという企業が大半です。
たとえば「今日は在宅勤務にします」とチャット上で申告していたとしても、実は急な案件が発生しオフィスでないと対応できないためオフィスに出社していたといった場合に、やはり人の手を介しての申告だと漏れてしまうことがあるということです。この場合では「在宅勤務予定」から「オフィス出社」に切り替わっているのであまり影響がないように思えますが、「この日はオフィスに出社します」と申告していた人が申告なしに在宅勤務に切り替えていたとしたらどうでしょうか。その人の部下は電話やチャットでは相談しずらいから、と、上司がオフィスへ出社するその日を待っていたかもしれません。オフィスへ出社しているはずの上司を探して、オフィスの中を探し回っていたかもしれません。これでは業務時間も圧迫してしまいますし、効率的とはいえません。
社員が今どこで働いているのかをリアルタイムに知るためには、人の手を介さず、自動でデータを取得し、またそれがいつでもどこでも見れるということが大切です。そのためにはICTツールの活用がおすすめです。
リアルタイムな所在地可視化を実現
Beacapp Hereは、同じ企業環境にいる人物のオフィス内の位置情報をリアルタイムで見ることができます。オフィスに設置されているビーコンと社員が持ち歩くスマートフォン(※原則、企業から貸与されているもの)が連動して位置情報を取得するため、人の手を介さず、自動で位置情報を把握することができます。
ビーコンや受信機を設置した場所だけを位置情報として検知するため、導入企業の希望に沿って可視化したいエリアを選択することができます。たとえばお手洗いや更衣室などのオフィスの中でもプライベート要素の強い空間や、人事部などの秘匿性の高い部門は位置情報として可視化しないといった使い方ができるので、位置情報を可視化される社員の気持ちや企業としての安全性に配慮されています。
また、フリーアドレスのオフィスでは、業務の特性によってエリアを分けている場合もあるので、登録するMapやエリア名称をわかりやすく工夫することで、導入企業に合わせた使いやすさを演出することができます。たとえば、個人で集中して業務に取り組むためのスペースを「集中ブース」として表示されるように登録しておくといった具合です。こうすることでコミュニケーションを取りたい相手が集中ブースにいることがわかった時には、邪魔をしないように話しかけにいくのではなくチャットを送っておくといった配慮をすることができ、この選択も、円滑な社内コミュニケーションを行うためのポイントです。
在宅勤務登録ボタンもあるので、在宅勤務をしていることがわかればすぐにチャットや電話をしてもいいですし、同じ拠点にいることがわかればその人の元へ一直線に向かうことができます。さらに「××さんが出社しているからオフィスへ行ってこれについて聞こう!」などと新しいコミュニケーションを生み出すきっかけにもなります。このように、位置情報がわかるだけで社内コミュニケーションの幅は広がりを見せ、円滑なコミュニケーションの活性化を促すことができるようになるのです。
まとめ
自由に働く場所を選ぶことのできる新しい働き方の中では、数あるコミュニケーション方法の中から、相手の居場所に合わせてその方法を選んでいくことが大切です。また働き方改革真っ只中にある日本では、働き方もオフィスの運用もどんどん変化していくことが予想されます。働き方が変わったとしても、企業の根本が人である以上、社内コミュニケーションが大切であることに変わりはありません。
今後も、人と人との繋がりを大切にしていきましょう!
▶︎株式会社ビーキャップ
https://jp.beacapp-here.com/corporate/
▶︎Beacapp Here|ホームページ
▶︎ichi-watch|ホームページ
▶︎Beacapp Here|Facebook
https://www.facebook.com/BeacappHERE/
▶︎Beacapp Here|Youtube