こんにちは!ビーキャップの添田です。
オフィスや工場、工事現場などで、DXの推進を求める声が大きくなり、DXツールの広告やCMをよく見かけるようになりました。人材不足や働き方改革の影響でさまざまな業界で求められているDXの動きですが、遅れをとっているとされているのが医療業界です。
医療業界ではDXが必要ないのか、どうして進まないのか、今後進めていくためにはどのように動いていくべきなのか、おすすめのツールとともに解説いたします。
医療業界におけるDXの必要性
他の産業と比較して「遅れている」と言われる医療業界のDXですが、なぜ遅れているのでしょうか。少子高齢化や強力な感染症の拡大によって、医療の現場はひっ迫した状況が続いている医療現場でこそ、DXの力が活用できるのはないでしょうか。
DXとは
DXとは、「Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション」を訳した言葉で、デジタル技術の導入によって、社会や企業を、より良いものに変えていこうという動きです。
今までは「人」が行うことが当たり前だったことでも、デジタル技術の進化によって「デジタル」を導入することでその作業時間をはるかに短縮できたりと、手間や時間を削減できるようになります。
DXの導入について、簡単なところで言えば、電子書類や電子判子がわかりやすいでしょう。特に近年、感染症の拡大でオフィスへの通勤頻度が少なくなる在宅勤務やリモートワークが普及したことにより、出社しなくても社内の複数の人間が同一の資料をみることができるこれらの技術は、企業への定着が早かったと言えるでしょう。またこれらの動きに伴って、Web上で会議を行うWeb会議や、メールよりも手軽に連絡の取れるチャットツールも普及しました。
経済産業省が提唱する「2025年の壁」への対策として、DXの推進が求められています。日本では少子高齢化も進んでおり、従来の人の力だけに頼った社会では、うまく立ち行かない未来が想像されています。デジタルと人の共生する社会こそ、今後求められる社会のあり方なのでしょう。
*DXについて、詳しくはこちらをご覧ください*
IT初心者が考えた「DX」とは一体なに?? オフィスのDXやABW など学んだ内容を初心者目線でお伝えします!
オフィスDXへの挑戦-2025年の壁に立ち向かえ、成功と失敗から学ぶ「成功の秘訣」-
医療業界DX|医療の現場でかける課題とDX推進による医療現場の未来
医療現場でDXが求められる理由
医療業界では今大きな問題を抱えており、そのひとつが「深刻な人手不足」です。
日本では長く少子高齢化社会が問題視されており、現在は高齢化率21%以上の「超高齢化社会」となっています。またこのままいけば、2025年には4~5人に1人は75歳以上の高齢者という「超・超高齢化社会」を迎えると予測されています。つまり、労働人口は減少しているのに対して、医療を必要とする機会の多くなる高齢者は増加しており、需要と供給が一致していない状況ということです。
さらにいうと人手の不足が過酷な労働環境を生み出すきっかけにもなり、離職や休職に繋がることも多く、人手の不足に拍車をかけています。
医療業界では患者と医師・看護師のやりとりが重要ということもあり、「人の手」が必要な業務が多くあります。しかし一方で院内で管理している医療物資の在庫管理や患者のカルテなど、デジタルの導入によって「人」の業務を軽減できる場面は多くあるのではないかと考えられます。
医療DXのメリット
医療DXを進めるメリットについて解説します。
事務業務の効率化
医療の現場にはさまざまな事務業務が存在するため、これらをデジタル化することで業務の効率化を図ることができるでしょう。
・院内の文書を電子化(ペーパーレス化)し、
スキャンやカルテへの転記、ファイリング業務を削減する
・院内文書と電子カルテを紐づけることで、転記の手間を削減
・タブレットやスマートホン、PCで行う事前のデジタル問診で、院内で行う問診の手間と時間を削減
・インターネットで来院予約を受け付けることで、受付業務の手間を減らす
・医療物資の在庫管理をデジタル化することで在庫の管理がしやすくなり、
緊急時の対応がスムーズになる
ひとつひとつは大きなことではないかもしれませんが、これらをデジタル化することで、今までそこに割いていたリソースを他の業務へ費やすことができるようになります。中でも院内文書の電子化や電子カルテの導入では、複数の職員が同じ情報を共有できるようになるため、患者に対して最適な医療を提供しやすくなるなど、医療の質が向上することも期待できます。
医療の質向上
先述したものと類似しますが、電子文書や電子カルテなど、さまざまな情報を電子化することにより、情報の共有がスムーズになります。院内のさまざまな情報を部門横断的に管理できることで、患者の状況や状態を的確に管理することができ、より良い判断を下し、より質の高い医療サービスを提供できるようになるでしょう。
またDXによって医療従事者の働き方を可視化したり、医療在庫をデータでリアルタイムに管理することができたり、今までは見えていなかったところを見えるようにすることができます。この院内のさまざまな状況をデータ化し、可視化することで、病院の経営課題も見えるようになり、また経営改善に役立てることもできるようになります。
患者の医療体験向上
医療DXを進めることで、それを導入している医療機関や取り扱う医療従事者のみでなく、患者もその恩恵を受けることができるようになります。
例えば従来の診察では、予約をせずに、重い体を引きずって病院に行き、自分の診察が始まるまでは待合室で問診票を記入して待ちます。正直、病気で辛い中、これらをスムーズに行うには難しいところもあり、一人暮らしの人や病院と自宅の距離が遠い人などは病院にかかることを諦めてしまうのではないでしょうか。
DXを推進することで、全ての人が等しく最適な医療を受けられるようになるでしょう。
例えばWebを利用した「オンライン診療」を取り入れることで、自宅から出ずに医師による診察を受けることができるようになりますし、最近では治療薬を自宅まで配達してくれるサービスもあるので、自宅から一歩も出ることなく治療に当たることができます。またWeb予約を利用することで病院内での待ち時間を削減でき、Web問診を利用することで自宅で事前に問診票を入力することができるようになります。
このように、医療DXを進めることは、「医療従事者」「医療機関経営者」「患者」の三方向にメリットがあるのです。
医療DX推進:院内所在地把握
医療DXを推進させるためのツールは、さまざまなものがリリースされています。電子カルテやWeb診療、Web予約ツールなど、聞き覚えのあるものや実際に利用したことがあるものも多いのではないでしょうか。その中で今回は、広い院内での業務効率化に注目し、「所在地把握ツール」についてご紹介します。
オフィスにおける所在地把握ツール
大手企業を中心にオフィスへの屋内位置情報サービスの導入が増えています。オフィス内の社員の位置情報を管理することができ、合わせてオフィス内の稼働状況や社員の勤務管理に役立てることのできるツールです。
導入する企業はここ数年で増加傾向にありますが、それには在宅勤務やリモートワーク、オフィス内の座席レイアウトとして固定席ではなく、フリーアドレスが増えていることが起因しています。このツールは日常での管理はもちろん、取得したデータをオフィス移転の際やオフィス内のレイアウト変更の際に役立てることができるのが魅力のツールです。
医療機関における所在地把握ツール
オフィスと違って医療機関では、頻繁なレイアウト変更や移転の可能性は少ないでしょう。しかし、オフィスよりも広い院内で、特定の医師や看護師、機器を探し出さなければならない場面は多くあります。特に複数棟あるような総合病院などの大型医療機関では、探し出すのは至難の業とも言えます。
所在地把握ツールを院内に導入することで、医師や看護師の所在地を可視化することができます。スマホやPCで確認することができるので、広い院内を探し回る手間と時間が削減できるでしょう。また医療機器は、院内で所有する数台を共有して運用することが多いかと思いますが、その弊害として「使いたい医療機器がどこにあるのかわからない」という問題が生じるでしょう。こうした時にも、医療機器の所在地がスマホやPCで確認できるようにしていれば、探し出す手間はなくなるのです。さらにこうした機器の在庫管理として役立てることもできるようになるので、緊急時に慌てることもなくなるでしょう。
医療DX推進の注意点
医療業界でのDXが進んでいないのにはさまざまな理由があります。
今後推進していく際には、これらの理由・課題に配慮する必要があるでしょう。
スタッフや患者のITリテラシーに配慮する
医療DXにおける課題のひとつが、スタッフや患者のITリテラシーの問題です。ITリテラシーとは、簡単にいうと、ITツールを使いこなすスキルのことです。技術面であまりにも高いスキルや知識を必要とされるツールを導入したとしても、それを利用する現場のスタッフや患者が運用できないことには意味がありません。
導入したツールに対してより大きな効果を求めるためには、利用者のITリテラシーに配慮する必要があります。特に主に患者が利用するようなWeb予約システムや問診システムなどは、「画面が見やすいか」「直感的で使いやすいか」など、スタッフが中心に運用するツール以上に配慮する必要があるでしょう。
院内での合意形成
医療DXは病院全体の取り組みとして推進していく必要があります。特に複数の診療科を抱える病院では、診療科や部門ごとに独立・孤立してしまいがちですが、部署によって運用するツールがバラバラとなってしまっては、医療DXの効果が限定的になる恐れがあります。
課題感や重要度、解決の目標など、関係部門での合意形成を目指し、部門横断的に取り組んでいくことが、医療DX推進のためのポイントとなるでしょう。
院内で抱える課題の明確化
「DXを推進する」としたときに、まず足踏みをしてしまう理由は「どんなITツールを導入すればよいかわからない」という点です。「ITツール」と言っても、今はさまざまなサービスがリリースされています。“自分たちが求めるツールはどれなのか”を見極めるためには、“解決したい課題はなんなのか”を明確にする必要があります。
DXは、必要なところにデジタルの技術を導入し、人とデジタルが共生することで社会をよりよいものにしていこうということです。この「必要なところ」を明確にするためには、現在抱えている課題を明確化し、どのように解決していきたいか、最終目標としてどのような形を目指すのか、そのビジョンをしっかりもつことが重要となります。
課題と課題解決までのビジョンをしっかり持ち、またこれを院内の関係部署で共通して認識することで、必要なITツールがわかってくるでしょう。
まとめ
業務を見直し、必要なところにはデジタル技術を取り入れていくことによって、より良い医療を提供できるようになると考えられます。またDX推進によって、従事する医師や看護師、事務職員などの働く環境も改善されることや、患者も医療を受けやすくなるなどさまざまな効果が期待できます。
これからの日本社会はますます医療の力に頼る場面が多くなると考えられます。
デジタルと共生することで、全ての人が等しく医療を受けられる社会を目指すことができるのではないでしょうか。
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